【 Suspend-VM 】【 Resume-VM 】コマンドレット――Hyper-V仮想マシンを一時停止する/再開するWindows PowerShell基本Tips(152)

本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Suspend-VM」「Resume-VM」コマンドレットを解説します。

» 2026年02月05日 05時00分 公開
[後藤諭史株式会社ネットワールド]

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「Windows PowerShell基本Tips」のインデックス

連載目次

 本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、「Hyper-V」の仮想マシンを一時停止する「Suspend-VM」コマンドレットと再開する「Resume-VM」コマンドレットです。

Suspend-VM/Resume-VMコマンドレットとは?

 Suspend-VMは仮想マシンを一時停止にするコマンドレット、Resume-VMは一時停止した仮想マシンを再開するコマンドレットです。

 第151回で紹介した「Stop-VM」コマンドレットの「-Save」オプションによる保存と似ているようにも見えますが、「保存」は仮想マシンのメモリ内容などをファイルに書き出して仮想マシンの状態を保存するのに対し、Suspend-VMコマンドレットによる一時停止はメモリやCPUの状態をそのまま一時停止し、素早く仮想マシンの動作を停止する動きとなります。

 一時停止した仮想マシンと保存した仮想マシンのコンソールを並べてみると一目瞭然です。保存した仮想マシンは保存後に「停止状態」(電源オフ状態)になりますが、一時停止した仮想マシンは「稼働中の状態でそのままフリーズ」したように見えます(画面1)。

ALT 画面1 保存した仮想マシンは電源オフの状態であるのに対して、一時停止した仮想マシンはコンソールがフリーズしたように見える

 一時停止は、動作している状態でまさに「一時停止」していることがお分かりいただけたと思います。この状態で何かしらの理由でHyper-Vホストが停止した場合、一時停止の状態で仮想マシンは強制ダウンとなり、いわゆる「予期しないシャットダウン」状態で起動することになります。

 一時停止操作はGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)ツールである「Hyper-Vマネージャー」でも実施可能です(画面2)。

ALT 画面2 Hyper-Vマネージャーではメニューから一時停止操作ができる

 一時停止した仮想マシンを再開させる場合は、Resume-VMコマンドレットを使用します。以下の画面3のように、Hyper-Vマネージャーでは一時停止した仮想マシンに対して「再開」はメニューに表示されるものの、「開始」は表示されていません。

ALT 画面3 一時停止状態の仮想マシンに対しては「再開」操作はできるものの「開始」操作はできない

 なお、一時停止した仮想マシンも「Start-VM」コマンドレットで開始できるものの、Resume-VMコマンドレットを使用するように警告が表示されるので注意してください。

【注】Suspend-VM/Resume-VMは「Windows PowerShell用Hyper-Vモジュール」に含まれるコマンドレットになります。GUIの「Windowsの機能の有効化」や「役割と機能の追加」からHyper-Vを有効化するか、PowerShellから「Enable-WindowsOptionalFeature」コマンドレットを使用して有効化します。


Suspend-VM/Resume-VMコマンドレットの書式

Suspend-VM [オプション]

Resume-VM [オプション]


Suspend-VMコマンドレットの主なオプション

オプション 意味
-Name 仮想マシン名を指定する
-ComputerName リモートのHyper-Vホストの仮想マシンを一時停止する場合にコンピュータ名を指定する。省略可能

Resume-VMコマンドレットの主なオプション

オプション 意味
-Name 仮想マシン名を指定する
-ComputerName リモートのHyper-Vホストの仮想マシンを再開する場合にコンピュータ名を指定する。省略可能

仮想マシンを一時停止する

 必須オプションの「-Name」オプションで稼働状態の仮想マシン名を指定してSuspend-VMコマンドレットを実行すると、仮想マシンを一時停止できます(画面4)。なお、Suspend-VMコマンドレットは管理者権限での実行が必要となります。

コマンドレット実行例

Suspend-VM -Name "Test-VM01"

ALT 画面4 「-Name」オプションで指定した仮想マシンを一時停止した

 画面4の「Uptime」でも分かる通り、一時停止した仮想マシンは稼働時間が引き続き経過していきますが、保存状態の仮想マシンは停止状態となっています。この点からも一時停止と保存が異なる状態であることが理解できます。

 Suspend-VMコマンドレットも、本連載第118回で紹介した「Get-VM」コマンドレットを併用することで、条件に一致した複数の仮想マシンを一時停止できますし(画面5)、「-Name」オプションで「*」を指定することで、Hyper-Vホスト上で稼働中の全ての仮想マシンを一斉に一時停止することも可能です。

コマンドレット実行例

Get-VM | Where {$_.Name -like "*Test*" } | Suspend-VM

ALT 画面5 Get-VMコマンドレットを併用し、名前に「Test」が含まれる仮想マシンのみを一時停止にした

仮想マシンを再開する

 Suspend-VMコマンドレットで一時停止した仮想マシンを再開する場合は、Resume-VMコマンドレットを必須オプションである「-Name」オプションを付与して実行します(画面6)。

コマンドレット実行例

Resume-VM -Name "Test-VM01"

ALT 画面6 「-Name」オプションで指定した仮想マシンを再開した

 Resume-VMコマンドレットも、複数の仮想マシンを同時に再開したい場合にはGet-VMコマンドレットの併用や「-Name」オプションでの「*」指定が可能です(画面7)。

コマンドレット実行例

Resume-VM -Name "*"

ALT 画面7 名前に「*」を指定することで、Hyper-Vホスト上の全ての仮想マシンを再開できる

 停止状態など、一時停止以外のステータスの仮想マシンにも再開処理が行われますが、画面7のようにエラーが表示されるものの仮想マシンに対する影響はありません。

筆者紹介

後藤 諭史(ごとう さとし)

株式会社ネットワールド所属。Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management(2012-2026)。現業の傍ら、コミュニティーイベントでの登壇や著作にてMicrosoftテクノロジーに関する技術情報の発信、共有を続けている。ネットワークやハードウェアといった物理層に近いところが大好きな、昔ながらのインフラ屋さん。得意技はケーブル整線。近著は『詳解! Windows Server仮想ネットワーク』(日経BP社)。


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