Googleは「Gemini CLI」でエージェントループを制御・カスタマイズできる「Gemini CLI hooks」を導入した。汎用的なエージェントでは対応し切れないニーズに対し、ソースコードを直接修正することなく挙動を調整可能にする。
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Googleは2026年1月28日(米国時間)、コマンドライン操作ができるAI(人工知能)支援コーディングツール「Gemini CLI」において、エージェントループ(処理サイクル)を制御およびカスタマイズできる新機能「Gemini CLI hooks」(以下、フック)を導入したと発表した。
エージェント時代における効率性は、単にコードを速く書くことだけでなく、特定の環境に適応したカスタムツールを構築することにある。フックは、プロジェクト固有のコンテキストの注入や、厳格なセキュリティポリシーの適用、テストワークフローの自動化など、汎用(はんよう)的なエージェントでは対応し切れないニーズに対し、ソースコードを直接修正することなく挙動を調整可能にする。
フックとは、Gemini CLIがライフサイクル内の特定の定義済みのポイントで実行するスクリプト(簡易プログラム)またはプログラムを指す。AIアシスタント向けの「ミドルウェア」として機能し、エージェントループ内で同期的にカスタムロジックを実行できるという。
フックを設定すると、特定のイベントが発生した際に、Gemini CLIがあらかじめ定義した処理を実行し、その完了を待ってから次の処理に進む。これにより、カスタムロジックを確実に反映させることができる。フックを利用することで、以下のような機能を実装できる。
フック活用の具体例として、セキュリティのセーフティーネット構築が挙げられる。「BeforeTool」というフックを使用することで、AIがAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)キーやパスワードなどの機密データを誤ってコードベースに書き込むのを防ぐことが可能だ。
例えば、ファイル書き込みや置換が行われる前に動作するフックを構成できる。Geminiがファイルを書き込みまたは編集しようとする際、フックがまず内容を検証する。機密情報が検出された場合は操作をブロックし、エージェントに対して拒否された理由を明確に伝えることで、エージェントによる自己修正を促す仕組みだ。
ワークフローを停滞させずにフックを活用するために、Googleは幾つかのガイドラインを提供している。主な推奨事項は以下の通り。
フックの機能はローカル環境の設定にとどまらない。Gemini CLIの拡張機能でもフルサポートされる。開発者は拡張機能のパッケージにフックを同梱(どうこん)できるため、ユーザーはコマンド1つで手動設定なしにフックを導入できる。
これにより、拡張機能の可能性が広がっている。例えば「Ralph」拡張機能では、「AfterAgent」というフックを利用してエージェントの完了信号をインターセプトし、処理を強制的にループさせることができる。これにより、長時間セッションで発生しやすい「コンテキストの腐敗」(Context Rot)を防ぎながら、困難なタスクに対して自律的に作業を継続させることが可能になるという。
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