JAXAの地球観測データAPIがMCP対応 生成AIツール上でデータの表示・分析が可能にPython版に続き、JavaScript向けAPIでも

JAXAは、地球観測データを利用するためのPythonパッケージ「JAXA Earth API for Python」のv.0.1.5を公開した。MCPをサポートし、生成AIツールで地球観測データを表示、分析できるという。

» 2026年02月27日 13時00分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2026年1月30日、同機構が保有する多様な地球観測データを活用するためのPythonパッケージ「JAXA Earth API for Python」の「v0.1.5」を公開した。

 同パッケージは、衛星やデータ、センサーごとの仕様や解像度などを意識することなく、統一的な方法でデータの取得や処理ができるよう設計されている。v0.1.5では、MCP(Model Context Protocol)に対応したサンプルコードが追加され、生成AI(人工知能)との対話を通じてJAXAの地球観測データを表示、分析できるという。

「Claude Desktop」で地理空間データを表示させた例(提供:JAXA) 「Claude Desktop」で地理空間データを表示させた例(提供:JAXA)

JAXA Earth API for Pythonの特徴

 JAXA Earth API for Pythonは、JAXAが提供する膨大な地球観測データをITエンジニアや研究者が効率的に利用できるように開発された。主な特徴は以下の通り。

  • 各衛星データの仕様やセンサーの違いを吸収し、統一的な手法でデータ取得が可能
  • Python環境での容易なインストールと操作に対応
  • オープンソースの地理情報システム「QGIS」での利用をサポート
  • Python開発環境「Google Colab」でのデータ取得に対応

 同APIを使用することで、以下のような多様なデータ処理や解析を実行できるという。

  • 画像の取得と表示
  • コレクションIDや観測波長(バンド)の検索
  • 関心領域(ROI)の画像の取得と表示
  • マスク処理された画像の取得
  • 差分画像の生成と表示
  • 合成画像の作成
  • 時系列データの計算と表示

生成AIとの連携に対応

 v0.1.5の特徴は、MCPを通じて「Claude Desktop」などの生成AIツールとの連携に対応した点だ。

 Claude Desktopで利用するには、作業フォルダでPython仮想環境(venv)を構築してJAXAが公開しているAPIパッケージをインストールし、MCPサーバスクリプト(mcp_server.py)を任意のパスに配置する。

 続いて、Claude Desktopの設定画面からconfigファイルを開き、コマンドに仮想環境のPython実行ファイルのパスを、引数にMCPサーバスクリプトのパスをそれぞれ記述する。

{
    "mcpServers": {
        "jaxa_api_tools": {
            "command": "C:\\YOUR-VENV-FOLDER-PATH\\venv\\Scripts\\python",
            "args": ["C:\\YOUR-VENV-FOLDER-PATH\\mcp_server.py"]
        }
    }
}
Configファイルの記述例

 設定保存後、Claude Desktopを完全に終了し、再起動することで以下の4つのツールをAIが呼び出し可能になる。

  • search_collections_id:JAXA Earth APIの詳細なコレクション情報を返す
  • show_images:ユーザーの入力に基づき、衛星画像を表示する
  • calc_spatial_stats:ユーザーの入力に基づき、衛星データの空間統計値を計算する
  • show_spatial_stats:衛星データの空間統計結果の画像を表示する

 これにより、ユーザーは生成AIとの対話を通じて、JAXAの地球観測データベースから直感的に情報を検索できるという。

JavaScript向けパッケージもv2.0.0でMCPに対応

 JAXAは2026年2月18日、JavaScript向けパッケージ「JAXA Earth API for JavaScript」の最新版「Version 2.0.0」を公開した。

 ブラウザ上での動作に加え、新たに「Node.js」「Deno」「Bun」環境での実行をサポートした他、TypeScriptでの開発にも対応。Python版と同様にMCPもサポートしたという。

 JAXAは公式ドキュメントページで利用方法やサンプルコードを公開している。

JAXA Earth API for JavaScriptのMCPを活用したデモ(提供:JAXA) JAXA Earth API for JavaScriptのMCPを活用したデモ(提供:JAXA)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2026
人に頼れない今こそ、本音で語るセキュリティ「モダナイズ」
4AI by @IT - AIを作り、動かし、守り、生かす
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。