MCPは「AIの業界標準になるのか」? 利用拡大の裏で“普及を阻む課題”も浮上MCPの現状、API管理ベンダーZuploが調査

API管理ベンダーZuploは、「MCP」の利用状況に関する調査結果を公開した。利用拡大への期待が高い一方で、セキュリティやアクセス制御の複雑さが最大の課題と認識されていることが分かった。

» 2026年03月24日 13時00分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 API(アプリケーションプログラミングインタフェース)管理ベンダーZuploは、「Model Context Protocol」(MCP)の利用に関わる技術専門家92人を対象に実施した調査結果を公開した。MCPは、AIモデルと外部のアプリケーションやデータソースを接続するためのプロトコルだ。

 調査では、回答者の72%が今後12カ月間でMCPの利用が「やや増加」または「大幅に増加」すると見込んでおり、MCPの利用拡大への期待が高い。その一方、普及する上での障壁になると考えられる課題も認識されていることが分かった。

72%がMCP利用増加を見込むが、“普及を妨げる課題”も浮上

 調査は2025年11〜12月にオンラインで実施された。回答者の内訳は開発者・エンジニアが48%、プロダクトマネジャーが20%、ソリューションアーキテクトが14%、DevOps(開発と運用の統合)およびプラットフォームエンジニアが7%、その他の技術職が12%。

 MCP利用状況別では、「非本番環境で実験・パイロット中」が65%、「本番環境で使用中」が17%、「理解はしているが未使用」が15%、「学び始めたばかり」が15%だった。

 今後12カ月におけるMCPの利用に関しては、「大幅に増加する」(34%)、「少し増やす」(38%)の合計で72%が利用増加を見込んでいる。

今後12カ月におけるMCP利用の変化予測。大多数が増加を確信している(提供:Zuplo

 標準規格としての位置付けに関しては、54%がMCPが長期的に持続し、業界標準になると考えている。一方で約40%はMCPの将来性に懐疑的であり、A2A(Agent2Agent)、UTCP(Universal Tool Calling Protocol)、ACP(Agentic Commerce Protocol)など競合プロトコルの台頭も認識されている。

MCPが標準規格として長期的に存続できるかどうか(提供:Zuplo

 AIツールにおいてMCPが関与する割合については、今後1年間で、40%の回答者が「26〜50%」、28%が「51%以上」になると回答した。

自社のAIツールにおいてどの程度MCPが利用されるか(提供:Zuplo

「コンテキストエンジニアリング」にMCPを活用

 MCP導入の投資対効果(ROI)の指標としては、「開発者の生産性と時間節約」が49%で最多だった。次いで「新機能の実現」(42%)、「ユーザー満足度の向上」(40%)、「統合の複雑さの軽減」(24%)が続いた。

MCP導入における投資対効果(ROI)の測定指標と、利用用途(提供:Zuplo

 MCP利用者の70%が既に2〜7台のMCPサーバを構成しており、主用途は「ドキュメントやナレッジベースなどのデータソースへの接続」だった。

 「コンテキストエンジニアリング」のためにMCPサーバを利用することで、ワークフロー上の効果を得ている傾向が顕著だった。コンテキストエンジニアリングとは、実行時にAIコーディングエージェントへ追加の関連情報を提供する手法だ。MCPを実際にワークフローで使用している回答者のうち、30%は「AIレスポンスへのより良いコンテキスト(文脈)の提供」を挙げ、25%が「特定タスクにおけるAI機能の強化」と回答した。

MCPサーバ構築者の50%がセキュリティを最大の課題に

 MCPサーバ構築者の50%が「セキュリティとアクセス制御の複雑さ」を最大の課題として挙げた。採用拡大の障壁としても、38%が「セキュリティ・コンプライアンス(法令順守)上の懸念」だった。

MCPサーバ構築における主な課題。回答者の半数がセキュリティを懸念している(提供:Zuplo

 認証方式については、40%が「APIキー」を使用し、24%は「認証なし」で運用していた。比較的簡易な運用が多い一方で、32%は「OAuth、JSON Web Token(JWT)、シングルサインオン(SSO)」など、より高度な認証・認可メカニズムを導入している。

30%がAPI/MCPゲートウェイでホスティング

 MCPサーバのホスティング環境として、30%が「API/MCPゲートウェイ」を使用していた。

MCPサーバのホスティング環境の内訳(提供:Zuplo

 MCPサーバ構築者の58%は既存のAPIをMCPでラップしており、MCP専用のAPIを新規構築しているのは23%にとどまった。トランスポートプロトコルとしては、59%が「Streamable HTTP」を使用し、デフォルト(既定)の「STDIO」(standard input/output)は34%だった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

その「AIコーディング」は本当に必要か?
Microsoft & Windows最前線2026
4AI by @IT - AIを作り、動かし、守り、生かす
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。