Anthropicは、COBOLのモダナイゼーションで障壁となる理解コストをAIで下げる手法を公開した。従来は数年かかっていた移行作業を、数カ月単位で実現できる可能性があるという。
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Anthropicは2026年2月23日(米国時間)、プログラミング言語「COBOL」で構築されたシステムのモダナイゼーションにAI(人工知能)を活用する手法についてブログ記事で解説した。
COBOLで構築されたシステムは金融、航空、政府系の基幹システムで稼働を続けている。一方、そうしたシステムの開発者の多くは既に引退し、設計の意図や業務ロジックといった暗黙知がコードの中にのみ残存している状況が生まれている。現在はCOBOLを扱えるエンジニアが希少になっており、COBOLを教える大学もごく少数に限られる。
Anthropicはそうした中で、レガシーコードを理解するためのコストが大きくなってしまう課題に対し、AIがその構図を変える可能性があると説明している。
COBOLで構築されたシステムのモダナイゼーションは、一般的なレガシーコードのリファクタリングとは根本的に異なり、単に古いパターンを新しいものに置き換えるものではない。
数十年かけて複雑化した依存関係を解きほぐし、今やコード自体にしか存在しない暗黙知を解読する必要がある。従来、COBOLシステムのモダナイゼーションには、大量のコンサルタントが何年もかけてワークフローをマッピングする必要があった。これにより、数年単位の工期と高コストが発生し、移行に取り組む意欲を持つ組織は少なかった。
AnthropicはAIエージェント型コマンドラインツール「Claude Code」が最も工数のかかる探索・分析フェーズを自動化できると説明する。具体的には以下の4点が可能となる。
Anthropicは、AIにより、数年ではなく数カ月単位でCOBOLコードベースをモダナイズできるとしている。
AIはまずCOBOLコードベース全体を読み取り、構造をマッピングする。プログラムのエントリーポイントを特定し、呼び出されるサブルーチンを通じた実行パスをトレースし、モジュール間のデータフローをマッピングし、数百のファイルにまたがる依存関係をドキュメント化する。
特に注目されるのが、隠れた依存関係の発見だ。静的解析では検出できない、ファイルやデータベース、グローバル状態を介したデータ共有が、COBOLで構築されたモダナイゼーションを高リスクにする主因だ。AIによる自動発見によって、これらの隠れた関係を発見できる。
このマッピング分析からワークフローのドキュメント化も生まれる。入力から出力までデータがシステムをどのように移動するかをトレースすることで、AIは誰も構築した記憶がないが、全員が依存している処理パイプラインの図と文書による説明を生成できる。
コードベースのマッピングが完了すると、AIはどのコンポーネントが安全に移行でき、どれが慎重な取り扱いを必要とするかを評価する。結合度の高いモジュールはリスクが高く、分離されたコンポーネントは独立したモダナイゼーションの早期候補として浮上する。重複ロジックはリファクタリングの機会を示し、技術的負債は、移行前にドキュメント化される。
Anthropicは、ここで人間の判断が不可欠だと強調する。人間は、AIでは把握できない規制要件、ビジネス優先事項、運用上の制約、リスク許容度に関する理解を持っている。
計画フェーズでは、モダナイゼーション作業を戦略的に順序付ける詳細なロードマップを策定する。
コードテストと検証もコード変更前に定義される。AIは移行されたコードがレガシーコードと同一の出力を生成することを検証する予備的な機能テストを設計する。チームはそれらのテストが十分かどうか、どのビジネスシナリオが専門家による手動検証を必要とするか、モダナイズされたコンポーネントが満たすべきパフォーマンスベンチマークを決定する。
実装はコンポーネント単位で行われ、各ステップで検証することが推奨される。AIはCOBOLロジックをモダン言語に翻訳し、残存するレガシーコンポーネントの周りにAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)ラッパーを作成し、移行中に新旧コードを並行稼働させるための足場を構築する。
各ステップは成功して検証されるか、失敗してもスコープが小さい段階で修正できるため、大規模なロールバックリスクを排除できる。
Anthropicは、明確な境界と中程度の複雑さを持つ単一のコンポーネントまたはワークフローから開始することを推奨している。AIで徹底的に分析・ドキュメント化し、技術者とともにモダナイゼーションを計画し、各ステップでテストしながら段階的に実装・検証というサイクルを繰り返すことで、組織の知見と自信が積み重なっていく、としている。
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