脆弱性を見つけるだけでは終わらない AIが修正作業まで支援するOSSセキュリティ基盤とは?検出から対処まで一本化

脆弱性を発見するツールは数多く存在するが、その後の対応は依然として人手に頼る場面が多い。こうした課題に対し、オープンソースの新たなセキュリティプラットフォームが登場した。OSINTや脆弱性診断に加え、AIによる分析や修復支援も統合するという。その実力とは。

» 2026年06月17日 08時00分 公開
[@IT]

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 セキュリティニュースメディア「Cybersecurity News」は2026年6月15日(現地時間)、オープンソースのセキュリティプロジェクト「TheSecuredAnalyst」が、AIによる分析・修復支援機能を備えたセキュリティ診断プラットフォーム「SecSuite」を公開したと報じた。

 SecSuiteはOSINT調査やWeb脆弱(ぜいじゃく)性診断、APIセキュリティ評価、準拠性確認、AI分析機能を統合したツール群で、セキュリティ担当者やペネトレーションテスター、レッドチームなどの利用を想定している。

AIが修正手順を提案、対応工数を削減

 同製品は「GitHub」で公開されており、拡張性を備えたモジュール構成を採用する。ローカルAIモデルによるオフライン運用に対応し、ローカルAIモデル利用時は外部サービスに情報を送信せず分析できる点を特徴とする。最新版の「SecSuite v0.1.0」には、11種類のOSINTモジュール、6種類のWebセキュリティスキャナー、4種類のAPIセキュリティ検査機能が搭載されている。操作は統合CLIとFastAPIベースのREST APIから実行できる。

 AI分析機能は「Ollama」「Claude」「OpenAI GPT」をサポートする。検出結果の相関分析や経営層への要約の生成、修復支援ワークフローなどを提供する。

 導入手順の簡素化にも配慮されている。「Linux」および「macOS」用のsetup.sh、「Windows」用のsetup.ps1を実行することで、Python環境や依存パッケージ、Ollama、ローカルAIモデルの導入を自動化する。Windows環境では管理者権限を必要としないとしている。

 では各機能ではどのようなことができるのだろうか。

 OSINT機能ではDNS調査やWHOIS検索、サブドメイン探索、ポートスキャン、技術情報の特定、メールアドレス収集などが可能だ。「nmap」「Shodan」「VirusTotal」との連携にも対応する。

 Web診断機能ではクロスサイトスクリプティング(XSS)やSQLインジェクションのテストの他、ディレクトリ探索やSSL/TLS解析、クローリングを実施する。脆弱性検査エンジンの「Nuclei」も利用できる。SSL/TLS解析機能は旧式プロトコルや脆弱な暗号スイート、証明書チェーンの問題を確認でき、文書化された試験ではSSL/TLS設定の確認を1秒未満で完了した。

 APIセキュリティ機能ではOpenAPIやSwagger仕様を解析し、検出したエンドポイントを検査する。BOLA(Broken Object Level Authorization:認可の不備)/IDOR(不適切な直接オブジェクト参照)、不正認証回避、JWT設定不備、エンドポイントファジングなどの項目を対象とする。

 特徴的な機能としてAI修復エンジン「secsuite ai remediate」がある。同機能はスキャン結果から問題点を抽出し、修正手順を対話形式で提示する。Redis認証未設定などの問題が見つかった場合、確認用、修正用、検証用のコマンドを提示し、利用者は実行や編集、除外を選択できる。

 この仕組みにより、脆弱性発見後の修正作業を単一基盤で支援する。「Qwen2.5」や「LLaMA 3.2」などのローカルモデルをOllama経由で利用できるため、スキャン結果や認証情報、システム情報が外部に送信されない構成となる。

 API検査モジュールは「endpoints」「auth」「fuzzer」の3機能で構成される。endpointsはBOLA/IDORや各種インジェクション、情報漏えいを確認する。authは認証回避やJWT設定の不備、レート制限の欠落を調査する。fuzzerは境界値や不正入力を送信し、障害や情報漏えいの有無を確認する。

 REST APIサーバ機能「secsuite serve」は、各機能をHTTPエンドポイントとして提供する。CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)環境やセキュリティ自動化基盤、独自ツールとの連携を想定している。

 システム構成は、CLIおよびREST APIによる利用者インタフェース層、ターゲット管理やキャッシュ機能を担う基盤層、各種スキャンモジュール層の3層構造を採用する。スキャン結果はJSON、CSV、HTML、Markdown形式で出力できる。スケジューラー機能は「cron」による定期実行と履歴管理を提供する。SIEM連携ではCEFおよびLEEF形式のログ出力に対応し、「Splunk」「Elasticsearch」「Syslog」環境への送信が可能だ。

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