JPCERT/CCは、攻撃者が悪用する可能性が高いツールやコマンドについて、「Windows」に残る実行痕跡をまとめた「ツール分析結果シート」の最新版を公開した。インシデント調査にどう役立つのか。
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セキュリティ機関のJPCERTコーディネーションセンター(以下、JPCERT/CC)は2026年6月11日、「ツール分析結果シート」のアップデートを発表した。2017年に公開した内容について、攻撃者の手口や利用する手段の変化を踏まえて見直した。
ツール分析結果シートは、攻撃者が悪用する可能性が高いツールやコマンドについて、「Windows」にどのような実行痕跡(ログや実行履歴、ファイルなど)が残るかをまとめた資料だ。インシデント調査担当者が、実行された可能性があるツールやコマンドを推定する際に活用できる。
JPCERT/CCは、新たに「Windows 11」(version 24H2)と「Windows Server 2025」で、ツールやコマンドの実行時にどのような実行痕跡が残るかを検証した。対象としたツールやコマンドは60個だ(図1、図2)。
調査対象の実行痕跡には、Windowsの監査ポリシーを有効にして取得したイベントログや、システム監視ツール「Sysmon」のログがある。その他、アプリケーションの実行情報を記録する「Prefetch」ファイルや、ツールおよびコマンドの実行履歴も調査対象としている。
JPCERT/CCによるとツール分析結果シートは、イベントログのイベントIDやファイル名、レジストリなどの情報から、実行された可能性があるツールやコマンドを逆引きする際に活用できる。例えばインシデント調査担当者が、調査で見つかった特徴的なファイル名でツール分析結果シートを検索することで、実行された可能性があるツールやコマンドを推定し、攻撃者の目的を推測できるという(図3)。
今回のアップデートに合わせて、JPCERT/CCは2017年に検証したツールやコマンドについても、Windowsの各バージョンで動作するかどうかを確認した。クライアントOSについてはWindows 11に加えて「Windows 7/8/8.1/10」、サーバOSについてはWindows Server 2025に加えて「Windows Server 2012 R2/2016/2019/2022」で動作の可否を確認したという。
JPCERT/CCは、ツール分析結果シートのJSONファイルを、ソースコードおよびファイルの共有サービス「GitHub」で公開している。JSONファイルを利用することで、ツール分析結果シートの内容を機械的に活用しやすくなる他、参照や検索も容易になるという。ツール分析結果シートおよびJSONファイルは無償で利用できる。JPCERT/CCは今後、悪用されたツールやコマンドの検知方法についても検証を進める計画だ。
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