PLAYが「AWS DevOpsエージェント」と「New Relic MCP Server」を連携させ、次世代のインシデント対応体制を構築した。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
動画配信サービスの開発、運営を手掛けるPLAYが「AWS DevOpsエージェント」と、New Relic製品AI統合プラットフォームの中核機能「New Relic MCP Server」(パブリックプレビュー)を連携させ、次世代のインシデント対応体制を構築した。
PLAY 技術基盤部 技術推進グループ テックリード 市川賢氏は、「AI時代、ソフトウェア開発のスピードと規模が人間の認知限界を超える中で、AWSとNew Relicの連携は運用を根本から変革してくれた」と述べている。
PLAYは「『見たい』と『見せたい』がつながる世界を作る」をミッションに掲げ、「TVer」や「Hulu」などの動画配信サービスの開発および運営を手掛ける企業。同社は社内システムの健全性を確保し、サービス品質を向上させるために、2024年秋からNew Relic製品を導入しており、APM(アプリケーションパフォーマンス監視)でシステム全体を可視化し、改善効率を向上させている。
一方で、AI駆動開発の普及やマイクロサービス化、外部サービス連携などによる「システムの爆発的な大規模化・複雑化」に伴い、インシデント発生時の原因特定や調査に要する時間の増加や、トラブル対応が熟練者のノウハウに依存する属人化といった課題が顕在化していたという。これらを解決するために、PLAYはNew Relicが有するAI機能をワークフローに組み込むことにした。
PLAYは、新たな取り組みとして、AWS DevOpsエージェントとNew Relic MCP Serverをダイレクトに連携させることにした。これにより、AWSが持つ詳細なインフラ情報と、New Relicが収集するフルスタックのアプリケーションパフォーマンス情報を横断的に分析できるようになった。
エンジニアは、日常業務で利用している「Slack」などのチャットUIを通じ、自然言語でシームレスにシステム全体の状況を把握して問い合わせることが可能になり、分断された画面を往復するといったコンテキストの切り替えも不要になったという。
今回のシステム連携で、インフラからアプリケーション、ログに至るまでの相関分析がAIによって自動化されたことで、インシデント対応のタスク難易度が下がり、新入社員がオンボード研修で対応手順を学べるレベルにまで平準化された。これによりベテラン従業員の技術力頼みの状況を脱却し、システム全体の健全性を確保できる体制が整ったという。
従来は難度の高いトラブルシューティングやNew Relicの高度な活用は、社内でも2〜3人のアプリケーションエンジニアに限られていた。現在は自然言語によるチャット操作が可能になったことで活用の裾野が広がり、10人以上のエンジニアが自立して障害対応に参画できるようになっている。
これら「タスクの難易度低下」と「対応人員の増加」が相乗効果を生み、インシデントの認知から解決までの時間が短縮された。これまで1件当たり15分ほど要していた初期調査の時間が「実質ゼロ」になった事例も出ているという。
エンジニアが開発業務に集中している最中に発生するエラー対応やツール切り替えといった「業務ノイズ」が大幅に減少し、本来注力すべきサービス開発業務への集中度が向上しているという。
「一部のエキスパートに依存していたインシデント対応やトラブルシューティングがチーム全体に民主化されたことで、より安心してアジリティ高く、新しい価値の創造に挑戦することができる」(市川氏)。本事例はNew Relicが2026年6月16日に発表した。
ITインフラ専門家の私でも、もうAIには勝てない――「Active Directory」障害対応をAIに丸ごと任せてみた結果
無料でAIコーディングの利用状況、トークンコスト可視化 オープンソースのMCPサーバ「Preflight」公開
これからの企業ネットワークの運用/保守はAIが主役、しかし全てはカバーできない
上質な成果だけを出す定番AIプロンプト10例とその理由
「生成AIは“答え”を出すために使うな」 IT運用で成果を出す「発散」の生かし方Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
編集部からのお知らせ