約300台のサーバを運用するオープンハウスグループでは、大量に届くアラートへの対応が担当者の負担となっていた。そこで監視運用の仕組みを見直し、アラート数を約53%削減した。同社は監視の運用をどう変えたのか。
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システムの安定稼働に欠かせない監視だが、アラートが増え過ぎれば、その対応で運用担当者の業務が圧迫されることになる。不動産事業を展開するオープンハウスグループも、事業が急速に成長する中、それを支えるサーバの運用において同様の課題を抱えていた。
同社の情報システム部でインフラ運用を担うチームでは、監視ツールから発出される大量のアラートから重要なものを判別するのに、多大な労力を割かざるを得ない状況だったという。そこで同社は、アラートの集約や通知、対応プロセスの見直しに取り組んだ。
インシデント管理ツールを提供するPagerDutyは2026年7月8日、オープンハウスグループの本導入事例を発表した。これによればオープンハウスグループは、PagerDutyの導入後、2週間足らずで本稼働を開始した。
オープンハウスグループの情報システム部に属するインフラストラクチャGでは、グループ全体のITインフラや約300台に及ぶサーバの運用を担っている。監視ツールが発する大量のアラートがメールに一括して届く運用となっており、その中から重要度の高いものを見分ける作業に多くの時間と労力が費やされ、担当者の負荷は増大していたという。重要なアラートをいち早く見極め、必要に応じて上位者へ迅速に引き継ぐことも課題となっていた。
そこで同社は、インシデント対応をさらに迅速化し、運用監視体制をより高度化するためにツールの導入を検討。複数のツールを比較検討し、PagerDutyのインシデント管理ツールを導入。Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloudの複数のクラウドサービス環境をまたいでアラートを一元的に集約できる点や、担当者に自動で通知が届く点、AIによる自動グルーピング機能を備える点などを評価した。
オープンハウスグループはPagerDutyの導入後、まずAIが関連するアラートを自動でグルーピングする機能を活用し、重複したアラートや不要な通知を削減した。直近45日間で総アラート数は1885件から884件へと約53%減少し、エンジニアの負荷を大幅に軽減できたという。
アラート発生時の対応プロセスも見直した。あらかじめ設定したスケジュールに基づいて、その時間帯の担当者にピンポイントで自動で通知する仕組みを整備。誰が対応しているのかもコンソール上で把握できるようになり、チーム間の連携が円滑になった。担当者によらず一定の手順でアラートに対応できる体制を整え、運用の標準化にもつながった。
PagerDutyの導入後は、未解決のアラートに対してチーム内で自然にフォローし合う組織文化が醸成された。サイレント障害のような小さな予兆を早い段階で捉え、重大な障害につながる前に対処する体制も整備できたという。
オープンハウスグループは今後、アラートをきっかけに外部システムの処理を呼び出すWebhookなどを活用し、一次対応や復旧作業の自動化に取り組む。AIOpsによる予兆検知も進める方針だ。
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