「Claude Code」の真価は併用にあり 4つのインターフェース使い分けとハイブリッド運用:「AIはただのコード補完」はもう古い 速習・実践「Claude Code」(3)(1/3 ページ)

Claude CodeをローカルPCで使う場合、4つの利用形態(CLI、VS Code拡張機能版、Desktopアプリ、Web版)があります。マークダウンプレビューツールの作成を通じて、それぞれの使い分け、Plan ModeやCheckpointsを活用した効率的な開発手順を解説します。

» 2026年09月30日 05時00分 公開

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はじめに

 前回までは、AIが「助言するコーチ」から「ピッチに立つ司令塔」へと変わった現場を、個人の開発体験の5つの変化(第1回)と、チーム開発の5つの勘所(第2回)として共有しました。第3回の今回からは、いよいよ手を動かします。Claude Codeを触ってみようかと感じていたら、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

 Claude CodeをローカルのPCから使う方法は、大きく3つあります。ターミナルで動くCLI(コマンドラインインタフェース)版、エディタに統合されるVisual Studio Code(VS Code)拡張機能版、そしてGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)で操作するDesktopアプリのCodeタブです。

 このように書くと、「Web版がない」と思った人もいるかもしれません。本記事では、ローカルで使う3つを「入り口」として比較し、後半でクラウドで動くWeb版との違いも解説していきます。

 ローカルの3つはClaudeモデルや各種設定を共有しますが、得意な場面はそれぞれ違います。そのため、入り口をどれかに決めるものではありません。タスクの途中で乗り換えて問題ありません。本記事で紹介するハンズオンも、ひな型の生成はCLI版、微調整はVS Code拡張機能版という流れで進めます。

 第3回のゴールは、同じ題材を使って、操作感・得意領域・組み合わせを実体験することです。インストール手順を覚えるのが目的ではありません。セットアップは最小限に絞っています。

 なお、本稿で扱う仕組みには、リサーチプレビューや実験段階のものが含まれます。対応プランや有効化の要否は機能ごとに異なり、デフォルト(既定)で無効のものもあります。本連載の内容は執筆時点(2026年9月中旬)を基準としています。状況は頻繁に変わるため、最新の仕様や、ご自身の環境で使えるかどうかは、Anthropicの公式ドキュメントや料金プランのページであらためて確認するようにしてください。

いつCLI、いつVS Code拡張、いつDesktop? 使い分けの判断基準

 Claude CodeをCLIで開くか、VS Codeのままでいくか、それともDesktopアプリを起動するか。着手のたびに迷っていては、その時間がムダになります。ハンズオンに入る前に、3つの入り口をどう選ぶかを整理します。

 それぞれの強みとセットアップ、タスク別の早見表、そして同じタスクの中で入り口を切り替えるハイブリッド運用、という順で取り上げます。

CLI版

 CLI版は、ターミナルに常駐するエージェントです。「Plan Mode」で実装前の計画を固め、サブエージェントで周辺タスクを切り出し、実験段階のAgent Teamsで複数のClaudeを並列に走らせます。

 Claude Codeが備える機能のうち、最も多くがここから無理なく呼び出せます。長時間タスクを放置で進めたい際も、ターミナルから直接test/buildコマンドを実行したいときも、相性が良い入り口です。

 CLI版は、Windowsでネイティブに動作します。Node.jsも「WSL」(Windows Subsystem for Linux)も不要です。ただし、Bashツールを使うには「Git for Windows」の導入が推奨されており、未導入の場合はWindows PowerShellがシェルツールとして使われます。インストールは、PowerShellなら、次のコマンドだけで済みます。

irm https://claude.ai/install.ps1 | iex

 詳細は、Anthropic公式のセットアップガイドを参照してください。

VS Code拡張機能版

 VS Code拡張機能版は、VS Codeに統合できるAIアシスタントです。インライン編集、行単位の差分プレビュー、@メンションでファイル・フォルダ・行範囲を指定する依頼、Checkpoints(送信時点への巻き戻し)。コードを直接編集しやすく、細かな修正や確認との相性が良いです。

 導入は、VS Code 1.98.0以上を用意した上で、拡張機能マーケットプレースから「Claude Code」を検索してインストールし、CLI版と同じAnthropicアカウントでサインインするだけです。同じPCなら、会話履歴や「CLAUDE.md」関連の設定(Auto Memory、Settings、Skills、Hooks、MCP)が、追加の手間なく共有されます。

 CLIとVS Code拡張機能版は、1つの環境を2つの入り口から操作しているだけ。そう捉えると、後のハンズオンの感覚がつかみやすいはずです。サイドバーの開き方、@メンションの書式、Checkpointsの操作は公式ガイドに図入りでまとまっています。

DesktopアプリのCodeタブ

 DesktopアプリのCodeタブは、GUIベースのClaude Codeです。長時間タスクを丸ごと預けるDispatchや、変更のたびに埋め込みブラウザで動作を確かめる自動検証(Auto-verify)など、GUIならではの機能がそろう入り口です。

 本記事のハンズオンでは深く触れないものの、CLIとVS Code拡張機能版の延長線上にあると知っておくと選択肢が広がります。Anthropicの公式サイトからインストーラを取得し、起動後、左サイドバーから「Code」タブを開きます。

 これで、CLIやVS Code拡張機能版と同じ設定が引き継がれたClaude Codeセッションが立ち上がります。CLI側で「/desktop」と打てば、走っているセッションをそのままDesktop側に移せます。

 Desktopならではの使い勝手も、1つだけ紹介します。この後のハンズオンで作成するindex.htmlは、Codeタブの埋め込みブラウザで表示できます。

 index.htmlの表示を確かめながら修正する様子(DesktopアプリのCodeタブ) index.htmlの表示を確かめながら修正する様子(DesktopアプリのCodeタブ)

Web版とモバイルアプリ

 ここまでの3つは、モデルも設定も共有されていて、違うのは操作面と固有機能だけ。そして、いずれもローカルPCで動く入り口でした。これとは別に、クラウドで動く「Claude Code on the Web」(claude.ai/code)があります。

 GitHubのリポジトリをつなぎ、ブラウザから指示すると、Anthropicのクラウド環境でタスクが自律的に走ります。差分を確認してプルリクエストを作る段階まで、手元のファイルに触れずクラウドで完結します。

 このクラウドセッションは、ブラウザだけでなくClaudeのモバイルアプリからも利用・監視できます。またモバイルアプリは、手元で動くローカルセッションの遠隔操作(Remote Control)にも利用できます。

 入り口は違っても、ローカルとクラウドは行き来できます。クラウドで走らせたセッションは、VS Code拡張機能版の履歴画面から選ぶと、会話ごと手元に持ち越せます。出先でWeb版やモバイルアプリ版から預けた作業の続きを、机に戻ってローカルで詰めることもできます。

 なお、第1回で紹介した、ローカルの計画をクラウドへ渡してレビューするultraplanは、リサーチプレビューの提供が終了し、執筆時点では使えません。リサーチプレビュー段階の機能は、こうして短い周期で入れ替わります。

入り口とセッションの関係 入り口とセッションの関係

使い分けマトリクス――◎の数で入り口を選ばない

 大きな改修の差分をどのツールで確かめるか、スマホから進捗(しんちょく)を確認したいときはどれを開くか。使い分けの判断を、典型的なタスクごとに表にまとめました。

 これを頭に入れておけば、本題の作業で手が止まることはないでしょう。◎は第一候補、○は十分使える、△は可能だが向いていない、という意味です。

典型的な開発タスク CLI版 VS Code拡張機能版 DesktopアプリのCodeタブ
大きな機能追加・リファクタリング ◎(Plan Mode+サブエージェント) ○(差分確認向き) △
行範囲を指定した微修正・補完 ○ ◎(選択範囲がそのまま渡る/差分プレビュー) △
UI見た目の調整・ビジュアル検証 △ ○ ◎(ライブプレビュー)
長時間バックグラウンドタスク ◎ △ ○
PRレビュー・PR自動マージ ○ △ ◎(Auto-fix / Auto-merge)
Dispatch経由のタスク投入 △ △ ◎(Dispatchで丸ごと預ける)
非エンジニアやチームメンバーとの共有 △ ○ ◎(GUI)
入り口の使い分けマトリクス

 表ではDesktopアプリに◎が並びます。ただ、◎が多いからDesktopを選べばよいという話ではありません。◎が付くのは、ライブプレビューやDispatchのような固有機能が生きる場面だからです。

 ただし、Dispatchは「Pro」「Max」プラン限定で、「Team」「Enterprise」では使えません。一方、走っているセッションを出先から操作するRemote Control自体は、CLIやVS Code拡張機能版のセッションにもつながり、全プランで使えます(Team/Enterpriseは管理者による有効化が必要)。

 2026年4月の全面刷新以降、CLIからDesktopメインへ移った開発者の記事も見掛けるようになりました。それでも、実態は用途ごとの併用です。迷ったらCLI版とVS Code拡張機能版のペアから始め、Desktopは固有機能が欲しくなってから利用する。そういう考えで問題ありません。

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