ヤマハサウンドシステムでは「Windows Server 2012 R2」のサポート終了を前に、ファイルサーバのリプレースを迫られた。本社移転でサーバ室の確保が不透明な中、同社はファイルサーバをどう見直したのか。
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劇場などの施設向けの音響システムを手掛けるヤマハサウンドシステムは、事業の性格上、製品情報や図面、写真データなどを長期保管する必要がある。施設の完成から10年、20年たって改修が発生することがあり、その際には過去の状況を確認しなければならないからだ。データを容易には削除できないことから、ファイルサーバに保管するデータ量が年々増え、約10TBに達していた。
ヤマハサウンドシステムがオンプレミスで運用していたファイルサーバのOS「Windows Server 2012 R2」は、2023年10月にサポート終了(EOL)を迎えることになっていた。そのため同社は2023年春ごろに、ファイルサーバのリプレースの検討を始めた。同時期に東京から横浜への本社移転を計画していたものの、移転先にサーバ室を確保できるかどうかが不確定な状況だったという。
こうした状況を踏まえて、ヤマハサウンドシステムはファイルサーバの在り方を大きく見直した。その結果、サーバの維持管理に関する負担軽減やコスト削減につながったという。何をどのように変えたのか。
ヤマハサウンドシステムはオンプレミスのファイルサーバの代替として、ダイレクトクラウドのオンラインストレージ「DirectCloud」を採用し、約10TBのデータを移行した。従来のファイルサーバでフォルダごとに設定していた役職や部門ごとのアクセス権に関しては、従来の内容を引き継ぐ形でDirectCloudに設定した。
他ベンダーの2サービスを含む3サービスを比較し、DirectCloudを選定した。決め手となったのは、二要素認証やIPアドレス制限といった、ヤマハグループが求めるセキュリティ機能を備えることだ。エクスプローラーと同じ操作感で利用できる「DirectCloudドライブ」を利用できることや、ユーザー数無制限の料金体系で契約できることも選定を後押しした。
夏季休暇の期間にデータ移行を実施し、休暇明けから全従業員が一斉にDirectCloudの利用を開始した。オンプレミスのファイルサーバをDirectCloudに移行したことで、ヤマハサウンドシステムはサーバの実機を管理し続ける負担から解放され、サーバ更改に伴う設備投資や維持管理コストの削減につなげた。
従来のファイルサーバではアクセス権の変更反映までに待ち時間が発生することがあったのに対して、DirectCloudでは即時に反映できるようになった。フォルダごとに細かな権限を設定していても管理しやすくなったという。
管理画面でアクセスログを追跡できることから、ファイルの利用状況や操作履歴も把握しやすくなった。従業員から「ファイルが消えた」といった問い合わせがあった場合に、ファイルを削除してしまったのか、誤って別フォルダに移動しただけなのかまで特定できるようになった。
ヤマハサウンドシステムは今後、社内に分散するファイルの保管場所を集約する方針で、DirectCloudを集約先の一つとして活用する。現場に出る技術系従業員やテレワーク中の従業員が、複合機でスキャンしたデータを社外からDirectCloudで受け取れるようにすることも検討している。ダイレクトクラウドは2026年8月28日、本事例を公開した。
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