SES企業がエンジニアに経歴詐称を強いる問題が浮上する中、そもそも各社がエンジニアの技術力をどう評価し、育成しているのかは気になるところだ。だが、こうした取り組みを公式サイトで明記する企業は限られる。
エンジニアによる技術支援を提供するシステムエンジニアリングサービス(SES)企業の間で、エンジニアにスキルシートの改ざんといった経歴詐称を強いる例が問題視されている。経歴詐称を巡って、裁判所がSES企業の経営者らに損害賠償を命じた例もあり、SES企業のコンプライアンスやエンジニアのスキル管理体制が問われている。
そもそもSES企業は、エンジニアのスキルをどう維持・向上させているのか。その根拠を社外にどこまで明確に示しているのか。実態を探るために、デジタルマーケティング支援を手掛けるリブランディングは、SES企業の公式サイト(求人情報を含む)を調査。技術力や採用時の技術評価、入社後の研修に関する説明状況を分析し、2026年10月12日に結果を公開した。
取引先が求める技術力と、エンジニアが実際に備えている技術力とのギャップが、経歴詐称の一因になっていると考えられる。SES企業は採用時にエンジニアの技術力をどう見極め、入社後にどう高めているのか――。こうした取り組みの中身は、SES企業との取引を検討する企業にとっても、入社を考える求職者にとっても、重要な判断材料になるはずだ。
SES企業は公式サイトを通じて、採用や育成について社外にどこまで具体的に明らかにしているのか。調査結果から探る。
リブランディングは対象候補のSES企業564社のうち、公式サイトの比較が可能だった414社を分析した。その結果、採用時の技術試験や技術面接について公式サイトに記載していたのは1.9%(8社)にとどまることが分かった。
この結果について、公式サイトで「技術力や人材の質」を強みとして明確にアピールする企業(以下、技術力を強みとする企業)166社と、それ以外の企業248社に分類して比較した。技術試験や技術面接の記載があったのは、前者が1.2%(2社)、後者が2.4%(6社)だった(図1)。技術力を強みとする企業であっても、採用選考での技術試験や技術面接について公式サイトに記載している企業は、ごく少数だった。
公式サイトで、入社後の研修内容や方法を具体的に説明していた企業の割合は、技術力を強みとする企業で61.4%(102社)、それ以外の企業で63.3%(157社)となり、いずれも6割強だった。研修期間を記載していた企業は、技術力を強みとする企業で31.9%(53社)、その他の企業で29.0%(72社)と、どちらも3割前後にとどまった。
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