ネットワークの監視や障害分析だけでなく、設定変更までAIに任せる動きが広がっている。Ciscoの調査では、回答者の約半数が本番環境で操作を実行するエージェント型AIを運用していた。企業はどこまでAIに判断を委ねようとしているのか。
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Cisco Systems(以下、Cisco)は2026年9月23日(米国時間)、ネットワーク運用(NetOps)の現状とAIの導入状況、AIの自律性や信頼に対する意識を調べた調査レポート「The Impact of Agentic AI on Network Operations」を公表した。
調査は調査会社Omdiaが実施し、北米、西欧州、アジア太平洋地域の従業員500人以上の組織でITおよびネットワーク運用を担う意思決定者1000人から回答を得た。
Ciscoによると、調査結果からは、AIが運用担当者に分析結果や対応策を提示するだけでなく、実際の操作まで担う「AgenticOps」への移行が進んでいることがうかがえるという。企業はネットワーク運用のどこまでをAIに任せようとしているのか。
調査によると、企業では1日平均約4100件の監視アラートやイベントが発生し、その半数以上がネットワーク関連だった。これらのネットワークアラートを全て人手で調査・処理するには、約100人のIT専門家が必要になる計算だ。実際、ネットワークアラートの約46%は調査されないままクローズされており、アラートの調査時間の約45%は誤検知への対応に費やされていた。
こうした大量のアラートに加え、複数のシステムやツールにまたがる問題への対応、頻繁な設定変更なども運用担当者の負担となっている。調査では、回答者の92%が、ネットワークの性能問題を解決するために10以上のツールの情報を突き合わせる必要があると回答した。また、57%は現在の変更管理プロセスでは求められる対応速度に追い付けないと答えた。
回答者の95%は、既存の非エージェント型AIOpsツールについて、少なくとも1つの重要な領域で十分に対応できていないと回答した。
AIの普及も、ネットワーク運用を複雑にする要因となっている。特にAIエージェントは、人間よりもはるかに速いペースでシステム間の通信やデータのやりとりを繰り返すため、通信量の増加やトラフィックの変動を引き起こす。
Ciscoがネットワークの通信状況を分析したところ、AI関連のトラフィックは6カ月ごとに倍増するペースで増加していた。また、Ciscoのテストでは、AIエージェントがタスクを実行することで、ネットワーク全体のトラフィックが最大450%増加するケースも確認された。
調査からは、ネットワーク運用において、AIに分析や提案を任せるだけでなく、実際の操作まで委ねる動きが広がっていることが分かった。AIエージェントに任せる操作には、通信経路の変更、無線LANの設定調整、不審な端末の隔離、インシデントの検知から解決までの対応などが含まれる。
主な調査結果は以下の通り。
AIエージェントにネットワーク運用を任せることに前向きな組織が多い一方、その活用を広げるには、AIの判断や操作を人間が把握し、検証できる仕組みが重要になる。調査では、AIエージェントを活用したネットワーク運用について、以下のような回答が得られた。
Omdiaのジム・フレイ氏(ネットワーク・IT運用担当チーフアナリスト)は、「注目すべきは、ネットワーク運用でのAI導入が進んでいること自体ではなく、組織がAI主導の運用に向けて準備を進める速さだ」と指摘する。その上で、従来のAIOpsからAgenticOpsへの移行が進む中、運用の統制を維持しながらAIの自律性を高めるには、統合的な可視性や強固なガバナンス、測定可能な成果が欠かせないと述べている。
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