日常業務の中で自然にアナリティクスを実践。Analytics 3.0時代を加速するオラクルのビッグデータアナリティクスソリューション:データ分析を現場の武器にするための道具立てとは?(4/4 ページ)
企業に日々蓄積されていく大量かつ多様なデータ。それらを業務の中でスピーディーに分析/活用し、ビジネス上の成果を得ていくためには、従来と異なるアプローチが必要だ。その考えの下、アナリティクスを現場の武器に変えるべくオラクルが提供しているのが各種のビッグデータアナリティクスソリューションである。[ビッグデータ][Big Data]
ノバルティス ファーマは創薬研究の効率化でOracle Spatial and Graphを活用
こうしたOracle Spatial and Graphの利点を生かし、研究開発業務の効率化を推進しているのが、米ノバルティス ファーマの創薬研究機関であるノバルティス バイオメディカル研究所(Novartis Institute for BioMedical Research)だ。
同研究所では、創薬に関する研究データが関係各所に分散していることから、特に新人研究者が必要な情報をうまく活用できないという問題に悩まされていた。そこで、Oracle Spatial and Graphにあらゆる研究データを集約し、研究データ間の関係性を定義したセマンティックグラフに基づいて管理するという手法を導入したのだ。その結果、各研究者はOracle Spatial and Graphによる意味検索により、必要な研究データを即座に入手できるようになったという。
このような仕組みは、例えば製造業でも有効であろう。なぜなら、製造業においても、製品の研究開発から出荷に至るプロセスの中で、製品に関するさまざまなデータが各所に分散して保持/管理されているケースが少なくないからだ。
「製品に関するデータを全てOracle Spatial and Graphに集約して管理することで、例えばリコールなどが生じた際、当該製品やその部品に関する全情報を、研究開発時のデータにまでさかのぼって素早く参照できるようになります。これにより、問題対処のスピードが大幅に向上するでしょう。また、Oracle Spatial and Graphを使えば、社内のデータだけでなく、例えばオープンデータとして公開されているような社外のデータとも横断的に関連付け、可視化するといった仕組みも簡単に作ることができます」(犬塚氏)
犬塚氏によれば、Oracle Databaseで構築したRDBをOracle Spatial and Graphのグラフデータベースに移行する機能も提供されており、その点でもOracle Spatial and Graph導入のハードルは低いという。
Hadoopのデータやパワーを最大化するOracle Spatial and Graphの最新版も提供
さらに、オラクルは先ごろ、Hadoopの処理性能とHadoop上の多種多様なデータをグラフ分析や位置情報分析で利用可能にする「Oracle Big Data Spatial and Graph」の提供も新たに開始した。これを利用することで、Oracle Spatial and Graphによる分析でHadoop上のデータを使うための空間演算処理を、Hadoopの並列分散処理のパワーを活用して高速に行うことができる。
また、Oracle Big Data Spatial and Graphは、グラフデータベースのタイプとして、従来のネットワークデータモデルとRDFセマンティックグラフに加えて、NoSQLによる操作が可能でノードとエッジ、及びプロパティで定義可能な「プロパティグラフ」をサポートしている。プロパティグラフのサポートにより、ソーシャルネットワークにおけるインフルエンサーの特定や、何らかの特性を備えた人物のグルーピング/パターンマッチングなどが行えるようになる。この機能は金融業界における不正取引の検知、サイバーセキュリティや犯罪検知などで威力を発揮する他、インフルエンサー分析を機器間の関係性に適用すれば、「ある機器の故障が他の機器にどのような影響を与えるのか」といったIoT時代に必須の機器分析も行えるようになる。
このように、オラクルのビッグデータアナリティクスソリューションは、ビジネスの現場の生産性向上や顧客サービスの高度化など、企業の収益向上に直接的に貢献する仕組みとして進化し、既に多くの企業で成果を生み出している。今後、これらのソリューションが、企業におけるアナリティクスの在り方やアナリティクスに対するアプローチを、より実践的なものに変えていくことだろう。
なお、前述のように、オラクルのビッグデータアナリティクスソリューションでは、今回紹介したOracle Spatial and Graphの他に、ビッグデータ活用のハードルを下げ、データ分析サイクルを高速化するソフトウエアとして「Oracle Big Data SQL」と「Oracle Big Data Discovery」を提供している。前者のOracle Big Data SQLは、Hadoop上のデータのSQLによる操作を可能にするものであり、一方のOracle Big Data Discoveryは、直感的な操作によって膨大なデータからビジネス価値の高い情報を探し出すためのツールだ。これらを使うことで、Oracle SQLに用意された時系列データ分析などのための分析関数をHadoop上のデータに対しても使えるようになる。このことは、特にアナリティクスの観点では大きな魅力の一つとなるだろう。
関連情報
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