「NAT」の仕組みとルーターへの設定方法:CCENT/CCNA 試験対策 2015年版(28)(3/3 ページ)
シスコの認定資格「CCENT/CCNA」のポイントを学ぶシリーズ。今回は、LANで使用しているローカルアドレスをグローバルアドレスに変換する「NAT」の仕組みと、実際のルーターへの設定方法について解説します。
演習問題
今回は全て下図を参照しながら解答してください。
Q1.上記の設定は、NATのどの種類の設定を行っているか。
ア.スタティックNAT
イ.ダイナミックNAT
ウ.PAT
エ.NAT関連の設定は行っていない
A1.「ウ.PAT」
overloadオプションが付いていることから、PATの設定を行っていると分かります。
Q2.上記設定で実際には使用されていないコマンドはどれか。
ア.access-list 1 permit 192.168.10.0 0.0.0.255
イ.ip nat pool NATPOOL 209.165.201.1 209.165.201.6 netmask 255.255.255.248
ウ.ip nat inside source list 1 interface Gi 0/0 overload
エ.Ip nat outside
A2.「イ.ip nat pool NATPOOL 209.165.201.1 209.165.201.6 netmask 255.255.255.248」
PATを使用する際にはNATプールの設定は不要です。
Q3.上記コマンドが設定済みのとき、内部グローバルアドレスとして使用されるIPアドレスは?
ア.209.165.201.6
イ.192.168.10.254
ウ.192.168.10.1
エ.209.165.201.1
A3.「ア.209.165.201.6」
PATの設定でインターフェースを指定しているので、そのインターフェースのoutsideに設定しているIPアドレスが内部グローバルアドレスとして使用されます。
Q4.上記設定で内部ローカルアドレスとなり得るIPアドレスは?(二つ選択)
ア.209.165.201.6
イ.192.168.10.254
ウ.192.168.10.1
エ.209.165.201.1
A4.「イ.192.168.10.254」と「ウ.192.168.10.1」
ACLの条件に合致したアドレスがNAT変換の対象となります。
予告
次回は、CCENTの出題範囲の「5.5クライアントとしての NTP の設定と確認」について解説します。
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー3演習問題編
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー3編
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー2編
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー1編
- スイッチのポートセキュリティ設定
- ネットワークデバイスのセキュリティ設定
- 時刻情報を同期する「NTP」の仕組みと、ルーターへの設定方法
- 「NAT」の仕組みとルーターへの設定方法
- 4種類のACLのルーターへの設定方法
- ACLごとの通過条件設定方法と適用場所、設定コマンド
- 標準ACL、拡張ACL、番号付きACL、名前付きACL――ACLの基礎知識と分類方法
- DHCPとは何か――ルーターでDHCPサーバーを稼働させるための設定方法や仕組み、シーケンス、メッセージの種類、リレー、リース期間
- VLAN間ルーティングの設定と確認
- OSPFv3とOSPFv2の違い、そして設定コマンド
- OSPFを理解する基本的なポイントと設定コマンドの使い方
- リンクステート型ルーティングプロトコル「OSPF」
- ディスタンスベクター型のルーティングプロトコル「IGRP」と「EIGRP」
- ディスタンスベクター型のルーティングプロトコル
- 所定のルーティング要件に対応するスタティックルート(静的ルート)またはデフォルトルートの、ルーティング設定と確認
- コマンドを使用したルーターの設定とネットワーク接続の確認
- 複数のルーティング手法とルーティングプロトコルの比較
- ルーター設定を行うためのCLIの設定と活用方法
- アクセスポートとトランクポート
- VLANで論理的に独立したネットワークを作成する
- ストア&フォワード方式、カットスルー方式、CAMテーブル
- コリジョンドメインとブロードキャストドメイン
- トポロジとメディアアクセス制御を理解する
- デュアルスタック、トンネリング、NAT――IPv6とIPv4の共存方法
- ぶいろく? ぶいしっくす?――初心者でも分かる「IPv6」の基礎
- 至高のネットワークアドレッシング方式学習法
- 究極の入門 プライベートIPアドレスとパブリックIPアドレス
- 超入門 ネットワークケーブルの種類と配線方式の違い
- ネットワークデバイス(ルーター、スイッチ、ブリッジ、ハブなど)の目的と機能 基礎の基礎
- 新人ネットワークエンジニアがまとめたTCP/IPプロトコルスタックとOSI参照モデルの基礎知識
- CCENT/CCNA取得を目指す皆さんへ
筆者プロフィール 齋藤貴幸
ドヴァ ICTソリューション統轄本部 デベロップメント&オペレーショングループ 2部
情報系専門学校の教員を12年勤めた後に同社へ入社、エンジニアへ転向。沖縄県と首都圏を中心にネットワーク構築業務に携わる。また、シスコ・ネットワーキングアカデミー認定インストラクタートレーナーとして、アカデミー参加校のインストラクターを指導している。炭水化物をこよなく愛する男。
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