プライベートIPアドレスとパブリックIPアドレスの操作と必要性について、新米ネットワークエンジニアが調べました。
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「CCENT」資格取得を目標に勉強している新米ネットワークエンジニアのS君が、「IPv4アドレスを割り当てるためのプライベートIPアドレスと、パブリックIPアドレスの操作と必要性」について勉強した内容をレポートにしました。
ランチをごちそうすると先輩社員 齋藤さん(炭水化物好き)が添削をしてくれるのですが、どうやらレポートの出来によってランチのランクも変わってくるようです(出来が良いとリーズナブルな炭水化物もの、出来が悪いと高価な炭水化物もの)。前回は「焼肉3種盛り」を指定されてしまったS君、今週はリベンジできるかな?
今回は「IPアドレス」についてレポートします。IPアドレスとは、ネットワーク機器やPCを識別するための住所のようなものです。
TCP/IPモデルのインターネット層の代表的なプロトコルとして、「IPv4(Internet Protocol version 4)」と「IPv6(Internet Protocol version 6)」というプロトコルが存在します。IPv4、IPv6によって表現されるアドレスのことを「IPv4アドレス」「IPv6アドレス」と呼びます。本レポートはIPv4アドレスに焦点を当て、IPv6アドレスについては。今後あらためて提出します。IPアドレスというと一般的にはIPv4アドレスのことを指します。本レポートでも、IPv4アドレスのことをIPアドレスと書きます。
IPv4アドレスは32ビットの固定長で表現され、図1-1のように2進数表記で表されます。2進数表記では目で見て理解しづらいので、8ビットごとに区切り10進数表記したのが図1-3です。また、ピリオドで区切られた8ビットの2進数を「オクテット」と呼びます。
IPv4アドレスは図2のように「ネットワーク部」と「ホスト部」に分かれています。
ネットワーク部は、各ホストが属するネットワーク(範囲)を表します。ホスト部は、そのネットワーク(範囲)内でルーターやコンピューターを識別するための部分です。
ネットワーク部とホスト部を分ける境目を示すために用いる値が「サブネットマスク」です。
図3のAをご覧ください。サブネットマスクは先頭ビットから「1」が続きます。この「1」と表記されている部分がIPアドレスのネットワーク部です。Aはサブネットマスクの「1」が24ビット目まで続いていますので、IPアドレスの24ビット目までがネットワーク部ということになります。
図3のBは、Aを10進数表記で表したものです。IPアドレスやサブネットマスクのほとんどは、10進数で表します。
図3のCのように表すこともあります。図にある「プレフィックス値」というのは先頭から何ビット目までがネットワーク部なのかを表す指標として用いられます。Cではプレフィックス値が「24」と記載がありますので、24ビット目まで、第3オクテットまでがネットワーク部です。
IPv4アドレスは「クラス」という概念で、ネットワーク部とホスト部を8ビット区切りで分けています。
図4は「クラスA」についての説明図です。第1オクテットが「0」から始まるIPアドレスが「クラスAアドレス」です。クラスAアドレスは、第1オクテットがネットワーク部で、第2オクテット以降がホスト部です。
「0.0.0.0」は全てのネットワークを表すアドレスですので使用できません。また「127.0.0.1」はループバックアドレスと呼ばれる、自分を示す特殊なIPアドレスです。
図5は「クラスB」についての説明図です。第1オクテットが「10」から始まるIPアドレスが「クラスBアドレス」です。クラスBアドレスは、第2オクテットまでがネットワーク部で、第3、第4オクテットがホスト部です。
図6は「クラスC」についての説明図です。第1オクテットが「110」から始まるIPアドレスが「クラスCアドレス」です。クラスCアドレスは第3オクテットまでがネットワーク部で、第4オクテットがホスト部です。
「クラスD」と「クラスE」アドレスも存在します。
クラスDは第1オクテットが「1110」からなるIPアドレスで、マルチキャスト用のIPアドレスです。
クラスEは第1オクテットが「1111」からなるIPアドレスで、実験用として使われる予約アドレスです。
上述したように、ネットワーク部とホスト部がクラスA〜Eのルールによって定義されたアドレスのことを「クラスフルアドレス」と言います。
「クラスレスアドレス」はクラスA、B、Cのルールに依存しません。先ほどプレフィックス値がネットワーク部を決定すると書きました。クラスフルアドレスはプレフィックス値が8の倍数であり、オクテットごとにネットワーク部とホスト部を分けています。
クラスレスアドレスはこの「オクテットの区切りとサブネットマスク中の1と0の境目が同じになるわけではない」ということです。オクテットの区切りに依存しない位置でネットワーク部とホスト部の境目を設定できる仕組み・ルールのことを、「VLSM(Variable Length Subnet Mask) 可変長サブネットマスク」と呼びます。
VLSMについては、次回のレポートで詳しく説明します。
ルーターについてのレポートで、ルーターとは「異なるネットワーク、インターネットの世界(WAN)と、会社や学校のような組織のネットワーク(LAN)をつなげる機器」と説明しました。
図8のようにWANとLANで用いるIPアドレスは異なり、LANでのみ使用できるIPアドレスを「プライベートIPアドレス」と言います。
図9のように、各クラスに割り当てられるプライベートIPアドレスは決まっています。
クラスAは第1オクテットが「10」で始まる値のIPアドレスです。クラスBは第1オクテットが「172」、第2オクテットが「16〜31」であるIPアドレスです。クラスCは第2オクテットまでが「192.168」です。第3オクテットは「0〜255」です。
これらは「RFC1918」で定義されています。
「グローバルIPアドレス」は、重複することのない唯一のIPアドレスです。世界中どこを探しても重ならないように設計されています。
グローバルIPアドレスは、プライベートアドレスとクラスD、Eを除く全ての範囲の値です。
外部と通信する際は、組織内であるLANからWANに出ます。そのとき一般的には、「NAT(Network Address Translation)」と呼ばれる技術を用いて、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスへ変換して通信を行います。
ネットワークアドレスは、ホスト部のビットが全て「0」であるIPアドレスです。ネットワークアドレスはネットワークそのものを表します。IPアドレスと対になるサブネットマスクでAND演算すると、ネットワークアドレスが得られます。
ホストアドレスは、同一ネットワークに存在するホスト(PCやルーター)を識別するためのアドレスです。ホスト部に割り当てられる値が全て「0」、もしくは全て「1」以外の値で表されます。
ブロードキャストアドレスは、ホスト部のビットが全て「1」であるものです。同一ネットワーク内に存在する全てのホストに向けて同報通信する際に使用します。
また、ネットワークアドレスとその範囲内にあるホストアドレスをルーターとPCに割り当てている様子は、図11のように表せます。
用語 | 意味 |
---|---|
RFC | インターネットに関する標準的技術が記載された文書 |
プレフィックス | ネットワーク部を表すための指標 |
次回は、VLSM(Variable Length Subnet Mask)についてまとめます。
レポート作成:新米S
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