ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー3編CCENT/CCNA 試験対策 2016年版(34)(1/2 ページ)

シスコの認定資格「CCENT/CCNA」のポイントを学ぶシリーズ。今回は前回に引き続き、「ネットワークのトラブルシューティング」を扱います。今回は「レイヤー3」編です。

» 2016年03月17日 05時00分 公開
CCENT/CCNA 試験対策 2016年版

連載目次

 ネットワーク初心者がCCENT/CCNAを受験するために必要な知識を学ぶ本連載。前回は、シスコシステムズが発表しているCCENT試験内容の7.0「トラブルシューティング」から、特にネットワークの「レイヤー2」におけるトラブルシューティングについて解説しました。

 今回も前回に引き続き、レイヤー3で発生する問題とその解決方法について解説します。

レイヤー3の問題

 レイヤー3の問題は「IPアドレスの問題」「ホスト設定に関連する問題」「ルーティングに関する問題」がほとんどです。その結果「相手と通信できない」「期待通りの経路を通らない」などのトラブルがしばしば起こります。以下、それぞれについてよくある原因を列挙します。

IPアドレスに関する問題

 IPアドレス関する問題は多岐にわたりますので、ここでは以下の2つについて、それぞれ説明していきます。

  • アドレス設計の問題
  • サブネット化と集約の問題

【アドレス設計の問題】

 異なるネットワークセグメントに所属するIPアドレスを同じ物理ネットワーク上に配置しても、通信できません。同じネットワークのホストアドレスを設定していたつもりでも、通信できない場合によくあるのが「タイプミス」によるものです。例えば、「192.168.1.xxx」というホストアドレスを割り当てていた場合に、「192.16.1.xxx」や「92.168.1.xxx」とタイプミスしたことで別のネットワークになってしまったということが多々あります。

 また、ミスではありませんが効率が悪くなる例として、不用意に大きな範囲のネットワークを割り当ててしまうということがあります。PCや周辺機器、スマートフォンなど、合わせても50台程度の小規模なネットワークで、クラスC(254台分のネットワーク)のネットワークセグメントをそのまま使用するようなケースです。

 これは、見方によってはプライベートアドレスをそのまま使用することで設定を簡略化しているとも解釈できますが、サブネット化すればネットワークを使用するとブロードキャストドメインの規模がより縮小できます。ブロードキャストドメインの規模を縮小すればネットワーク全体の不要なトラフィックの軽減もできますし、用途ごとのサブネット(PC接続用、スマートフォン接続用など)として意味を持たせたネットワークにすることができます。

【サブネット化と集約の問題】

 サブネットを適切に設計しなければ、限りあるIPアドレスを効率良く使用することができなくなってしまいます。

 サブネット化するときには、範囲の広いサブネットから切り出します。例えば、クライアントPCの管理台数が100台、50台、10台である3つの部署があった場合、まず100台のPCを使用する部署のサブネットから切り出します。

 サブネット化すると、連続したネットワークを複数作成できます。このとき、連続するサブネットをできるだけ隣接するように配置すると、サブネット化の逆の作業である集約も簡単に行えるようになります。逆に、サブネットが不連続になってしまうと、集約がうまく行えなくなりますので、注意が必要です。また、サブネット化後のネットワークアドレスは、離れた拠点に分けて使用すべきではありません。

不連続なネットワークの例
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