リアルタイムデータ連携、ビッグデータ活用の領域でも普及が進むOracle GoldenGate:“Oracleユーザーにとって当たり前”のデータ連携技術とは? 【後編】(3/4 ページ)
Oracle Databaseの無停止アップグレードにおける採用事例で注目を集めるOracle GoldenGateだが、より鮮度の高い情報を求めるさまざまな企業において活用が進んでいる。先進企業における活用例と、同ツールのノウハウを豊富に蓄積したパートナー企業の声を紹介する。[ビッグデータ][高可用性/災害対策][Data Integration]
国保中央会は全国の自治体をつなぐ大規模データ連携を実現
全国47都道府県の国民健康保険団体連合会(以下、国保連合会)が実施する国民健康保険事業を支援する国民健康保険中央会(以下、国保中央会)では、各連合会の運用負担の軽減と障害/災害対策の実現にOracle GoldenGateを活用している。各都道府県の国保連合会が個別に運用していたシステムを国保中央会が運営する共同運用センターに集約する一方で、国保連合会側システムとの間で双方向のレプリケーションを行い、双方が常に最新のデータを持ち合う仕組みを構築。これにより、業務処理負担の軽減と事業継続性の向上を両立させたという。
「国保中央会様の事例は、全国規模の非常に大規模なデータベース連携事例ですが、Oracle GoldenGateを活用したことで、設計から構築までのプロジェクトをトラブルなくスムーズに進められたとご評価いただいています」(谷川氏)
日本証券取引所グループはデリバティブの証拠金シミュレーションに活用
東京証券取引所などを運営する日本証券取引所グループでは、デリバティブ商品を相対取引するOTC(Over The Counter)の清算における証拠金シミュレーションシステムの構築でOracle GoldenGateを活用している。
「金融商品取引は2016年現在、証券や債券などの現物に加えて、デリバティブ取引が大きく拡大しつつあります。そうした市場ニーズに応えるために、日本証券取引所グループ様ではデリバティブ取引における証拠金確認を行うためのシミュレーションシステムの強化に取り組まれました。
具体的には、基幹データベースからシミュレーション用データベースにデータを抽出するレプリケーション処理を、従来の日次バッチからOracle GoldenGateによってリアルタイム化し、シミュレーションの精度を大幅に向上。これにより、システムの利用頻度が10倍以上に増え、清算参加者である金融機関や証券会社の利用者から高い評価を得ているとのことです。このシステムは、Oracle GoldenGateを使うことで稼働中の基幹システムに負荷を掛けずにデータレプリケーションを実現したことにより、わずか8カ月で構築できたことも特筆すべき点です」(谷川氏)
Voice of Partner:株式会社アクアシステムズ
数多くの導入プロジェクトを実施する中で、Oracle GoldenGateはデータベースレプリケーションに関する幅広いニーズに応える最先端のテクノロジーであると再認識いたしました。例えば、データ同期プログラムの全廃を目指したお客さまの環境において、双方向による同一テーブル間のレプリケーションが支障なく稼働しています。他のレプリケーション技術では実現の難しい高度な機能が安定して動作すると実証できたことは、エンジニアとして大きな喜びです。Sybaseなど異なるRDBMSとの間でもレプリケーションを実現しており、全社規模での活用に耐えると考えています。
当社は、データベースに精通したエンジニア集団として、データベース全般に関するソリューションを提供しています。レプリケーションの際に切り分けが難しいデータベースに関する問題の解決も責任を持って行いますので、安心してご相談いただければと思います。お客さまを直接的にご支援するだけでなく、大手システムインテグレーターとも協力して対応いたします。
Oracle GoldenGateは機能拡張のペースが目覚ましく、今後もさらに高度な機能が追加されていくことに期待しています。
(技術部 吉田宗弘氏)
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