運用工数を15分の1に削減! パナソニックISが実践するOracle Exadataとマルチテナントを活用した大規模DB統合のアプローチ:8システム/5人の運用体制が170システム/7人に(1/5 ページ)
パナソニックグループのIT中核会社として同グループのIT企画/運用を主導するパナソニック インフォメーションシステムズは、Oracle Exadataを利用してグループ内のデータベース環境を統合。さらにOracle Database 12cのマルチテナント機能を活用し、集約率と運用管理性の大幅向上を果たした。同社が採ったアプローチと効果を紹介する。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System][Oracle Mutitenant]
Oracle Exadataを基盤に据えてパナソニックグループのデータベース統合を推進
パナソニック インフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)は現在、パナソニックグループのIT中核企業として、グループ全体のITシステム企画/構築/運用を担う他、その中で培ったノウハウを一般市場向けにも提供し、グループ外の企業からも厚い信頼を寄せられている。同社が提供するITソリューションは基幹業務系からアプリケーション統合、IT基盤統合、さらには情報セキュリティまで多岐にわたり、さまざまな業界の多様なニーズに応え続けている。
そんな同社は、「Oracle Exadata」を核にしてグループ内のデータベース基盤の統合を進めてきたが、先頃、Oracle Database 12cのマルチテナント機能(Oracle Multitenant)を利用してさらなる集約率の向上を図った。Oracle Exadataとマルチテナント機能によって同社が推進するデータベース統合の狙いと効果について、取り組みを主導するキーマンに聞いた。
パナソニックISでは、Oracle Exadataを基盤に据えたデータベース統合プロジェクトを2011年4月より進めてきた。同社IDCサービス事業部 IT基盤部 アプリ基盤チーム(兼)運用基盤チーム チームリーダーの片岡光康氏は、この統合プロジェクトの実施に至った背景を次のように説明する。
「以前は、社内に大量のデータベースサーバが散在している状況でした。当然、それぞれについてサーバやストレージのコストが発生しますし、運用手法もバラバラであったため、そこでも多くのコストが掛かっていました。また、ユーザー数の増加に伴うパフォーマンスの劣化や、夜間バッチ処理が規定の時間内に終わらないといった問題も大きな悩みの種でした」(片岡氏)
この課題を解決するために、パナソニックISはOracle Exadataを基盤にしてデータベース統合を図ることを決める。
このプロジェクトの推進にあたっては、いくつかの方針が定められた。その1つが「リソース制御機能を利用した既存システムのパフォーマンス維持」である。複数のデータベースを集約してハードウェアリソースを共有した場合、あるデータベースが高負荷状態に陥った際に、他のシステムに悪影響が及ぶことが懸念される。そこで、リソース制御機能を利用して、それぞれのシステムのパフォーマンスを維持するというアプローチを採ったのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 【Oracle Exadata事例】パナソニック インフォメーションシステムズが推し進める基幹データベース群のDBaaS化
全社IT基盤改革におけるデータベース統合で、パナソニック インフォメーションシステムズがシステム基盤として採用したのが「Oracle Exadata」だ。データベース基盤のコスト最適化とパフォーマンス向上を果たした同社は、ビジネスの動きに即応した迅速なデータベース調達を実現すべく、Oracle ExadataによるDBaaS構築を推進している。[プライベートクラウド/データベース統合][運用管理効率化][Engineered System] - 4カ月でDB統合、販売店支援を5.3倍高速化したプロトコーポレーション
プロトコーポレーションは2015年1月、クルマ情報誌「Goo」やクルマポータルサイト「Goo-net」をはじめとする基幹事業のデータベース群をOracle Exadata X4-2上に統合した。「ここまで劇的に性能が向上するのなら、もっと早く導入すればよかった」──このプロジェクトを統括した同社の山本正博氏はそう語る。[パフォーマンス改善][プライベートクラウド/データベース統合][運用管理効率化][Engineered System][Oracle Enterprise Manager] - エディオンが「約1200店舗の業務をリアルタイムに支える統合データベース基盤」にOracle Exadataを選んだ理由
「本当に垂直統合型でよいのか?」──大手家電量販店のエディオンは熟慮の末、全国約1200店舗の業務を支える統合データベース基盤を「Oracle Exadata」で刷新。圧倒的なパフォーマンス向上に加えて、大幅なコスト削減という果実を得た。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System][Data Integration][Database Security] - ライオンがSAP ERPや基幹系のDB基盤をOracle Exadata X5 & Oracle Database 12cに更改 性能が4〜20倍向上
ライオンは先頃、Oracle Exadata V2で運用してきたSAP ERPや基幹系のデータベース基盤をX5に移行。併せてRDBMSもマルチテナントを活用したOracle Database 12cにアップグレードし、処理性能が4〜20倍向上した。同社は今後、Oracle Database In-Memoryの活用も検討しているという。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System] - インダストリー4.0時代を見据えた日本精工のIT戦略とは
システムごとにサイロ化/個別最適化が進んだITインフラを全社統合し、ガバナンス強化、コスト削減、安定運用を図る──日本精工が中期経営計画の下で進めるITインフラ全体最適化において、データベースの統合基盤に選ばれたのは「Oracle Exadata」であった。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System] - NTTドコモの6600万顧客のリアルタイムビリング基盤「MoBills」を支えるデータベース基盤とは
「Oracle Exadataで垂直統合型システムのイメージが変わった」──NTTドコモの基幹システムの1つ「MoBills」のインフラ刷新を推進したメンバーの1人はそう語る。約6600万顧客への課金/決済を担う同システムのデータベース基盤に、同社はなぜOracle Exadataを選んだのか?[プライベートクラウド/データベース統合][パフォーマンス改善][Engineered System][Oracle Enterprise Manager] - 企業の共通業務を効率化するドコモ・システムズのクラウドサービス「dDREAMS」。その安定稼働をOracle Exadataが支える
多くの企業に共通するオフィス業務を効率化するクラウドサービスとして、ドコモ・システムズが提供しているのが「dDREAMS」だ。ドコモグループの数多くのシステムを開発/運用してきた経験とノウハウが凝集された同サービスの安定稼働は、「Oracle Exadata」をはじめとするオラクルの各種ソリューションが支えている。[高可用性/災害対策][運用管理効率化][Engineered System] - 日本の電力システム改革を支えるオラクルの先進ITソリューション
スマートメーターから得た各種情報を用いて効率的な送配電を実現する鍵となるのは、それらの情報を短時間で処理して事業者に提供する高性能なデータベース基盤の構築だ。オラクルは、Oracle Exadataをはじめとする先進のデータ活用ソリューションにより、送配電の最適化からビッグデータを利用したビジネス革新まで、電力ビジネスを全面的に支援する体制を整えている。[パフォーマンス改善][Engineered System] - 大和ハウス工業はグループ全体のDB基盤統合と高速化をどう実現したか
大和ハウス工業はグループ全社で利用する基幹業務システムの統合データベース基盤として「Oracle Exadata」を導入し、バッチ処理を最大241倍高速化。その高い性能とコスト効果を確信すると、さらにSAP ERPのバックエンドデータベースにも採用するなど活用の輪を広げてきた。[プライベートクラウド/データベース統合][パフォーマンス改善][運用管理効率化][Engineered System] - 札幌市は“発注者主体”で基幹情報システム刷新プロジェクトを推進。「調達の透明性」と「地元企業の参入機会拡大」を確保した秘訣
「発注者側が主体性を維持しながらITプロジェクトを推進する」というコンセプトの下、札幌市が基幹系情報システムをメインフレームからオープン系に移行する一大プロジェクトを推進中だ。発注者側の主体性維持はどのように実現したのだろうか?[プライベートクラウド/データベース統合][パフォーマンス改善][Engineered System][Oracle Database 12c] - 100万台超の複合機をグローバルに結ぶ! キヤノンの基幹サービスを支えるIoT基盤の全容
「世界中の顧客オフィスで稼働する100万台超の複合機をネットワーク経由で結び、管理効率やサービス品質を高める」──この世界的にも先進的なIoT活用を実践しているのがキヤノンだ。Oracle Exadataをはじめとするオラクルの先進ソリューションを駆使した同社サービス基盤の全容が明かされた。[ビッグデータ][プライベートクラウド/データベース統合][運用管理効率化][Engineered System][Data Integration] - 北陸コカ・コーラボトリングがOracle Exadata V1からX4への移行で「災害対策」「移行リスク最小化」のために取ったアプローチとは?
2010年に第1世代の「Oracle Exadata V1」を導入した北陸コカ・コーラボトリングは先ごろ、アプリケーションやデータの増大に対応すべく「Oracle Exadata X4-2」への移行を実施した。システムの停止時間を最短化してスムーズに移行し、障害/災害時の業務への影響を最小化するために同社が取ったアプローチはどのようなものだったのか?[プライベートクラウド/データベース統合][高可用性/災害対策][Engineered System][Data Integration] - 日立金属が基幹データベースのプライベートクラウド基盤に課した妥協なき要件と、その選択
グローバル化推進に伴うIT提供スピードの向上、増大するデータ量への対応、高い性能/可用性/信頼性、そして容易な運用管理──日立金属は基幹データベース群のプライベートクラウド基盤の選定に当たり、これらの要件を適正なコストで満たすシステム基盤を子細に検討。選んだのはOracle Exadataであった。[プライベートクラウド/データベース統合][運用管理効率化][Engineered System][Oracle Enterprise Manager] - SAPのグローバルシングルインスタンス稼働を支える統合DB基盤とは
創業182年を誇る老舗商社 長瀬産業は、全世界に分散する拠点で利用するSAPアプリケーションをグローバルシングルインスタンスとして導入。そのバックエンドで稼働する統合データベース基盤を、オラクルの「Oracle Exadata X4」で構築した。[プライベートクラウド/データベース統合][運用管理効率化][Engineered System] - 東京海上日動システムズがOracle Exadataで成し遂げた企業改革
「Oracle Exadata」を基盤に据えたデータベース統合プロジェクトにより、バッチ処理の高速化やコスト最適化などのメリットを手にした東京海上日動システムズ。同社はこのプロジェクトの遂行を通して、企業革新に向けた機会創出と意識変革、IT人材のスキルアップも果たした。プロジェクトを推進した同社キーマンは「Oracle Exadataは企業変革の原動力になり得る」と断言する。[プライベートクラウド/データベース統合][パフォーマンス改善][Engineered System]
提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年9月9日