クラウドとIoT、機械学習を活用したモニタリング/フィードバックの仕組みで糖尿病患者の自己管理を支援:Oracle Cloudが可能にした短期間でのシステム提供(3/3 ページ)
クラウドやIoT、機械学習などの先進技術をヘルスケア分野に応用する動きが活発化している。その1つが、あいち健康の森健康科学総合センターが中心となって進める、患者の自己管理の支援を通して生活習慣病の改善を目指す取り組みだ。[パブリッククラウド][Oracle Cloud]
Oracle Database Cloud Serviceの多彩なセキュリティ機能により、医療データをクラウド上で安全管理
個人の健康/医療データを扱う今回のプロジェクトにおいて、最も重視されたのが「データセキュリティ」だ。Oracle Database Cloud Serviceでは、Oracle Database向けに用意された多彩なセキュリティ機能を、パブリッククラウド上でもそのまま使用できる。データベースの暗号化や権限管理といった基本的な対策に加えて、ネットワークの設定やアプリケーション設計などの側面についてもセキュリティが配慮されている。例えば、指導医による個々の患者データの参照とIT担当者による機械学習プラットフォームの操作では、同じ分析データベースに対してアクセスが行われるが、それぞれの役割に応じて操作権限を分離することで、職務に不要なデータは参照できないようになっている。
このようにプロジェクトで利用されたIT環境について説明した下道氏は、あらためて「今回のプロジェクトでは、期間やコストに厳しい制約がある中でさまざまな要件を満たすことが必要となり、インフラにパブリッククラウドを使う以外の選択肢は考えられませんでした」と振り返った。
また、Oracle Advanced AnalyticsとData Minerによる機械学習の効果については、次のように期待を語った。
「私自身は、健康/医療分野で機械学習がどのように役立つのか、これまで具体的にイメージできていませんでした。しかし、このプロジェクトに出会い、今は機械学習がどれだけの効果を発揮できるのか、非常に楽しみになりました。『効果的な糖尿病予防プロセスの発見』という明確かつ意義のある目的に向けて取り組む中で、機械学習は“人の思い”の実現に向けた有効なアプローチの1つであると感じています。今後のさらなる成果に期待したいと思います」(下道氏)
以上、本稿ではあいち健康の森健康科学総合センターが核となって推進する「糖尿病患者への行動変容支援プロジェクト」の概要と、同プロジェクトで利用されているOracle Cloudの主なサービス/機能を紹介した。現代社会が直面するさまざまな課題の解決を図る上で、ITの有効活用は不可欠な手段の1つとなった。ただし、その利用に際して多くのコストや導入期間を要するようでは、先進的な試みの多くが構想段階で頓挫してしまうだろう。豊富なサービスを低コストで提供し、短期導入を可能にするOracle Cloudのようなクラウドサービスの登場が今、この状況を大きく変えつつあるのだ。
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