検索
連載

愛媛編:一般家庭の蛇口は2つ――地方別「風土」「産業」「暮らし」ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(28)(1/3 ページ)

愛媛県は多様である。「東予」「中予」「南予」の3つの地方に分かれ、それぞれに異なる特性がある。幸せな移住は、マッチングする地方を見極めることから始まる。愛媛在住の筆者が、各地方の違いと魅力について語る。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 はじめまして。「セイザインデザイン」の薬師寺聖です。「U&Iターンの理想と現実:愛媛編」を担当いたします。よろしくお願いいたします。

多様な顔を持つ愛媛

ストレスフリーな愛媛県

 ITエンジニアの大敵は、何といってもストレスだ。心身を健やかに保ち、長く働き続けたいなら、愛媛県は移住先の有力候補である。何しろ「ストレスオフ県ランキング」の1位なのだ(出展:「オフラボ」ココロの体力測定【ストレスオフ県ランキング】〜メディプラス研究所)。

 海も山もある温暖な気候。自然のあらゆる要素が調和して、移住者をあたたかく包み込む。潮騒を聞きながらプログラミング、森を散策してプランニング、温泉街でコミュニティーイベント。町工場で手仕事、開かれた大学での学び、座り仕事に疲れたら遍路みちをウオーキング。ウェアラブルデバイスを装着して、愛媛マラソンのコースをランニングするのもいい。休日には、しまなみ海道をサイクリング。四国カルストや面河渓谷でリフレッシュ。

 愛媛ならどれも可能だ。ストレスが少ないのも頷けるだろう。

3つの地方という個性


図1 愛媛の3つの地方と、属する市町村

 愛媛県は、「東予」「中予」「南予」の3つの地方から成る。それぞれの地方は、別の県といってもいいほど趣が異なる。端的に言えば、「歴史文化、工業の東予」「教育、観光、商業の中予」「自然、農林水産業の南予」といったところだ。

 移住に当たっては、食も重要な要素だろう。

 愛媛といえばミカンが有名だが、キウイ、ブルーベリー、桃の産地でもある。全国トップシェアの伊予市の小魚珍味、宇和島市の鯛飯、名水百選の西条市のビール、松山市道後の地ビール、地酒、じゃこ天、中山栗などもはずせない。

 1つだけ、期待してはいけないことがある。愛媛の一般家庭の蛇口の数は2つがデフォルトであって、みかんジュース蛇口工事の助成制度はない。

 次ページから、3つの地方を順に紹介していこう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る