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簡単に使えて高速、柔軟に拡張可能な自律型DWHサービス「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」が企業にもたらすメリットとは?DWHの常識を覆す新サービスが登場

これまでの常識を覆すDWHがクラウドに登場した。データをロードするだけで簡単に使えて、しかもチューニングなしでオンプレミスのOracle Exadataよりも高いパフォーマンスを発揮する自律型DWHサービス「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」だ。同サービスを使うことで、企業はどのようなメリットを得られるのだろうか?

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「簡単」「高速」「柔軟」─企業が求めるDWHの要件


Oracle シニア・プリンシパル・プロダクト・マネージャのヤシン・バスカン氏

 ビジネスにおけるデータ活用の重要性が叫ばれる今日、多くの企業がデータウェアハウス(DWH)を用いたデータ分析の取り組みに力を入れている。ただし、DWHの構築や運用には多くの手間と期間、費用が必要となり、これがデータ活用の促進を大きく阻害しているとの指摘も挙がっている。

 そうした中、Oracleは2018年4月、DWH環境の構築や運用を機械学習などの技術も利用して自律化し、構築のスピード化や運用の省力化、コスト削減などを実現する自律型クラウドサービス群「Oracle Autonomous Cloud Platform」の第一弾としてDWH向けサービス「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」の提供を開始。同月に都内で開催されたイベント「Oracle Database Connect 2018」において、OracleでDWH製品の開発を担当するシニア・プリンシパル・プロダクト・マネージャのヤシン・バスカン氏が基調講演に立ち、同サービスの特長、企業にもたらすメリットを紹介した。ここでは、その要旨を紹介する。

 今日の企業にとって、「データ」はビジネスの基盤となるものだ。その活用施策として、これまで多くの企業がDWHの導入を進めてきた。ただし、その実態を見ると、全てが手作業で構築/運用されることによって多くの手間とコストがかかり、十分な性能を得るためのチューニングにも膨大な工数が費やされている。バスカン氏は、「データを高度に活用して先進的なサービスを提供する企業の中には、大変な手間とコストがかかる現在のDWHは、より手間とコストのかからない近代的な技術に置き換わるべきだと考える企業が少なくありません」と指摘する。

 それでは、“近代的なDWH”とは、果たしてどのようなものなのか? バスカン氏によれば、その要件は「簡単」「高速」「柔軟」の3つとなる。

 これらのうち、最も重要な要件が「簡単」さ、すなわち使いやすさだ。近代的なDWHは手作業を極力減らして短時間で構築でき、複数のデータソースから簡単にデータをロードできなければならない。

 「また、『高速』であることも重要な要件です。もはや今日の企業には、必要な検索性能を得るために手間をかけてDWHをチューニングしている余裕はありません。最新のDWHは優れたパフォーマンスを手作業によるチューニングなしで、つまりアウトオブボックス(既製品)の状態で実現できなくてはならないのです。また、同時に多数のユーザーが快適に利用できるよう、高い同時実行性も備えている必要があります」(バスカン氏)

 「柔軟」さも、今日のDWHが満たすべき要件である。データベース管理者は、データベースのサイジングの難しさを日々、実感されていることだろう。ユーザー数が毎日変動するようなシステムでは、サイジングがより難しくなる。「CPUは幾つ必要か、ストレージサイズはどれくらい必要か」を事前に正確かつ無駄なく見積もるのは難しいため、必要に応じてオンデマンドで柔軟に拡張できる必要がある。

 「また、最初は小規模にスモールスタートしたとしても、利用規模の拡大に応じて柔軟に拡張できなければなりません。しかも、その際にユーザーを待たせることなく、オンラインで、つまりダウンタイムなしで拡張できることも必要です。コスト効率を考えれば、リソースを使用した分だけ支払う柔軟な料金体系も必要でしょう」(バスカン氏)

 これらの要件を全て満たしたDWHが、Oracleが提供を開始したOracle Autonomous Data Warehouse Cloudである。バスカン氏は、同サービスが上記の要件をどう満たすのかを説明した。

データをロードしたらすぐに使えるから業務部門にも最適

 Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudの最大の特長は、徹底して「簡単」さを追求していることだ。

 例えば、Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudはオブジェクトストレージが統合されており、分析対象のデータを同ストレージにアップロードすると、それを読み込んで自動的にデータベースを構築する。Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureもサポートしており、それらのオブジェクトストレージに格納したデータをロードすることもできる。

 データをロードした後は、特別な設定を行うことなく、すぐに使うことができる。データベースはOracle Autonomous Data Warehouse Cloudが自動的に最適化するため、ユーザーはテーブルを作成してスキーマを定義し、データをロードするだけでよい。チューニングも不要だ。

 このことは、DWHを利用する業務ユーザーに多くのメリットをもたらす。IT部門の中には、活用したいデータを業務部門が大量に抱えているが、それを分析するためのハードウェアがないためにデータベース環境を提供できないという悩みを抱えているところが少なくない。Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudならばハードウェアの調達は不要であり、データをロードすればすぐに利用できる。業務部門主導で利用するDWHやデータマートに最適なのである。

 データの可視化、分析も簡単に行える。後述するように、Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudでは既存のBIツールやOracle Cloudで提供される分析/可視化サービスを利用できるが、それらを使わない場合でも同サービスに組み込まれたビジュアライゼーションツールを使い、データをチャートとして可視化したり、ダッシュボードを作成したりすることができる。

 このようにDWHの利用にまつわる全ての作業が自律的に行われるため、必要な工数が大幅に削減される。一般に、サーバやストレージ、ネットワーク機器を調達してデータベースを構築し、設定やチューニングを行う従来型のスタイルでは数十ステップの作業が発生する。Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudでは、それらがわずか4ステップにまで圧縮されるのだ。

 Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudのβテストに参加した企業の多くは、この「簡単」という特長を高く評価しているとバスカン氏は話す。

 「例えば、米ミネソタ州立大学さまは、『テストも構築も、オブジェクトストアからのデータロードも簡単だった。アウトオブボックスにもかかわらず、その性能は驚くべきもので、チューニングも不要だった。既存のオンプレミスのソリューションと比較しても素晴らしい』とコメントしています」(バスカン氏)

チューニングなしでもオンプレミスのOracle Exadataより高速

 簡単でありながら「高速」であることも大きな特長だ。

 パフォーマンスに関してOracle Autonomous Data Warehouse Cloudの特筆すべき点は、同サービスがOracle Exadata上で実行されているということだ。Oracle Exadataは世界中の企業のシステムで高い性能や信頼性が実証されたデータベース基盤であり、Oracle Databaseに最適化されている。Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudで作られる全てのデータベースは、このOracle Exadata上で高速に実行される。

 Oracleは米国のユーザー企業7社の協力を得て、実際のワークロードを基にオンプレミスのOracle ExadataとOracle Autonomous Data Warehouse Cloudの性能比較を行っている。その結果をまとめたものが次の図だ。

 図中の白いグラフは、ある企業がオンプレミスで利用しているOracle Exadataのパフォーマンスを示したものだ。いずれの企業もインデックスやパーティショニングを駆使し、何年もかけてOracle Databaseをチューニングしながら利用しているという。

 「一方、図中の赤いグラフが、同じワークロードをOracle Autonomous Data Warehouse Cloud上で実行した結果です。ご覧の通り、ほとんどのケースでOracle Autonomous Data Warehouse Cloudへの移行によってパフォーマンスが向上しています。データを素早くロードして業務部門でも手軽に利用できるDWHサービスが、入念にチューニングされたオンプレミスのOracle Exadataよりも高いパフォーマンスを発揮するのです」(バスカン氏)

必要なリソースだけをオンラインで柔軟に拡張可能

 他社サービスと比べて「柔軟」であることも、Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudならではの利点だ。

 Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudでは、ワークロードに応じて必要なリソースをスケールアップすることができる。例えば、夜間にETL(Extract/Transform/Load)のワークロードを実行する場合、その時間帯だけより多くのCPUが必要となる。その場合はCPUを数時間分だけ追加してETLを実行し、終了したらCPU数を減らせばよい。

 「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudでは、CPUとストレージを分けて増減させることができます。他社のクラウドサービスではCPUとストレージが一定量でセットとして固定されており、どちらか一方だけを増やすことはできません。また、Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudでは、システムを止めることなく、オンラインでCPUやストレージを増減させることができます」(バスカン氏)

 Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudでは、CPUは使用数量に応じて、またストレージはTB単位で料金を支払う。データベースを止めればCPUの使用数量はゼロとなるため、その時間は料金が発生しない。例えば、「週末は開発/テスト環境を止める」「夜間はレポートを発行しない」といった場合はDWHを止めておけば、その時間帯のコストをゼロにできるのだ。

 βテストに参加した企業からは、この柔軟性も高く評価されているようだ。例えば、ノルウェーのエネルギー会社であるAker BPは、「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudで最も気に入っているのが高い柔軟性です。自由度が高く、即座に拡張が可能な点で際立って優れており、市場でもユニークな存在です」とコメントしている。

 データの活用方法に関して柔軟な選択肢が用意されていることも大きなメリットである。Oracleは現在、Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudに関してさまざまなBIツールベンダーと協業を進めており、ユーザーが利用している既存の各社BIツールをそのまま利用できる。OracleのBIサービスであるOracle Analytics Cloudを利用することも可能だ。

オンプレミスでの運用と比べて高いコストパフォーマンス

 オンプレミスでの運用と比較して高いコストパフォーマンスを備えていることも特筆すべき点だ。OracleはOracle Autonomous Data Warehouse CloudのTCO(Total Cost of Ownership)についても調査している。あるデータベースをOracle Autonomous Data Warehouse Cloudとオンプレミスで運用する際、運用管理をユーザー企業が自ら行う場合のコストを比較したところ、前者では3年間のTCOを50%以下に抑えられることが分かった。その理由は、Oracle Autonomous Data Warehouse CloudでDWHを運用する場合、オンプレミスと比べて人手による作業を大きく削減できるからだ。当然、他社のクラウドサービスと比べても同様のTCO削減効果が期待できる。

 バスカン氏は、これによって削減したコストを、ビジネス競争力を高めるための投資に振り向けるべきだと話す。実際にβテストに参加したレンタカー大手のThe Hertzは、「Oracle Autonomous Data Warehouse CloudならばDWHのコストを削減し、その分をより付加価値の高い顧客サービス、データの価値を高めるためのIT投資に回せるようになる」とコメントしている。

例外なしで高い可用性を保証

 可用性の高さもOracle Autonomous Data Warehouse Cloudの大きな魅力だ。

 Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudでは、クラスタリングのコンフィギュレーションやディザスタリカバリーなどの設定を全てサービス側で自律的に行うことにより、高い可用性を実現している。

 今日、多くのクラウドサービスが99.95%の可用性を保証しているが、これは年間で4時間以上のダウンタイムがあることを意味する。ただし、その保証内容には注意が必要である。多くのベンダーは、このSLAにさまざまな例外事項を設けているのだ。例えば、ベンダーによるメンテナンス、パッチ適用などによるダウンタイムは保証対象外となるため、実際にはもっと長いダウンタイムを覚悟しなければならない。

 「それに対して、Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudでは現在99.95%のSLAを保証しており、近い将来、これを99.995%に引き上げる予定です。毎月のダウンタイムは2.5分以下となり、これには例外もありません。Oracleがシステムにパッチを当てたり、保守したりする時間も全てダウンタイムに含まれます」(バスカン氏)

全サービス共通のクレジット購入方式と従量課金方式を用意

 利用料金についても、Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudは他社サービスにない特長を備えている。

 Oracleは2017年、Oracle Cloudにプリペイド式の支払方式として「Universal Credits Monthly Flex」を導入。月額固定払いで事前購入したクレジットの範囲内でPaaS/IaaSの全サービスを自由に利用することが可能となった。サービスを継続的に一定量使う場合は、この支払方式を利用することで大幅な割引を受けることができる。また、「まずはしばらく試してみてから継続的な活用を検討したい」「プロトタイピングや検証で一時的に利用したい」といった企業向けに従量課金の支払い方式「Pay As You Go(PAYG)」も用意している。

 また、ユーザーがすでに保有しているオンプレミス製品のライセンスをPaaSに移行し、それに応じて割引料金を適用する「Bring Your Own License to PaaS」が開始されたのに加えて、PaaSの利用料金そのものも大幅に引き下げられた。これらにより、他社のサービスに対して極めて高いコストパフォーマンスを実現しているのだ。

 以上のような特長を備えるOracle Autonomous Data Warehouse Cloudは、企業のインフォーメーションマネジメントアーキテクチャの中核に位置するサービスであり、構造化データから非構造化データまで、さまざまなデータを統合して活用するための基盤となるものだ。バスカン氏は最後に、次のように語って講演を締めくくった。

 「たくさんのDWHを抱えており、その管理に手を焼いている、あるいはDWHのパフォーマンスが不足しているという企業は、それらをOracle Autonomous Data Warehouse Cloudに移行してください。データサイエンティスト向けに素早くデータ分析環境を用意したい、業務ユーザーをサポートする手間を減らしたいという企業も、Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudをご活用ください。IoT(Internet of Things)などで使う非構造化データも含め大量のデータを格納するためのデータレイクを構築したいという企業にもお勧めです」(バスカン氏)

 なお、Oracleは現在、30日間、最大300ドル分までOracle Autonomous Data Warehouse Cloudを含む全てのサービスを利用できる無料トライアルを実施している。Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudがどのようなサービスかを具体的に知りたい方は、ぜひこのプログラムをご利用いただきたい。

 また、既存のDWH環境とOracle Autonomous Data Warehouse CloudのTCOを比較するための簡易計算ツール(TCO Calculator。英語版)もWebで公開しているので、ぜひこちらも併せてご活用いただきたい。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2018年9月27日

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