VMware PlayerとLive CDで手軽に試せる
鶴長 鎮一
2007/12/28
VMware PlayerとLive CDで「お試し」
インストールすることなくディストリビューションを試用するには、Live CDを利用するか仮想マシンを使用します。
Live CDを利用するには、ISOイメージファイルをダウンロード後、CD-Rを用意する必要があります。一方仮想マシンを使用する場合は、インストール済み仮想マシンのイメージファイルを作成または入手する必要があります。ディストリビュータから提供されているもの以外にも、以下のサイトで多くのイメージファイルを見つけることができます。
関連リンク: | |
Virtual Appliance Marketplace http://www.vmware.com/appliances/ |
ディストリビューションを少し試してみたいだけなら、VMware Playerを用いて、ISOイメージのまま利用することができます。
VMware Playerでは仮想マシンを作成することはできませんが、VMware Serverなら可能です。すでにそうした方法でVMwareのイメージファイルを用意している場合は、VMware Playerでもvmxファイルを修正することで、任意のISOイメージファイルを使用することができます。VMwareのイメージファイルで拡張子「.vmx」のファイルを開き、次の個所を修正します。
○○.vmxファイル |
VMwareのイメージファイルが手に入らない場合には、VMware PlayerでISOイメージを使用可能にするスクリプトを利用します。以下のサイトからtorrentでダウンロードします。
関連リンク: | |
http://www.vmware.com/appliances/directory/374 |
ここで「Download this Appliance」をクリックし、次画面でユーザー登録を回避する場合は、「No thanks, take me directly to my appliance without registering for the promotion.」をクリックします。
こうしてダウンロードしたファイルを解凍後、shスクリプト(またはbatファイル)を修正し、ISOイメージファイルを引数に、次のようにスクリプトを実行します。
・Linuxの場合 |
・Windowsの場合 |
選択のポイント
ディストリビューションを使用するうえで欠かせないのが、母国語への対応です。多くのディストリビューションがマルチバイト文字にデフォルトで対応し、UTF-8をはじめ、日本語文字コードを問題なく使用できます。
しかし、SCIMを利用した日本語入力や、オンラインヘルプやマニュアルの日本語化には、ディストリビュータのサポート体制が問われます。コミュニティベースの無償ディストリビューションであれば、国内のコミュニティの盛り上がりが使いやすさに影響します。サーバ用途で日本語をサポートする必要がないケースでも、参考にできるサイトの有無が、行き詰まったときの打開策につながります。
コミュニティの盛り上がりを背景にそうしたサイトや資料が検索サイトで簡単に見つけられることも、ディストリビューション選択の基準になります。
2008年のLinuxディストリビューションはどうなる?
商用Linuxでは、Red Hat Enterprise Linux(移行、RHEL)の独走が続いています。NovellによるSUSE Linuxの強化で、エンタープライズ用途におけるLinux選択肢の幅が広まったものの、コストやサポートを大きく改善させるまでには至っていません。
無償で利用できるLinuxがある一方、RHELのサブスクリプションは値が張り、更新作業は大変煩わしいものです。Linuxサーバを使って商用サービスを提供し、顧客の情報を預かる以上、こうした費用や手間は欠かせず、日本版SOX法対策などに苦い思いをしている方もいるかもしれません。
こうした状況の打開策として期待されているのが、OracleのUnbreakable Linuxです。Unbreakable Linuxは独自ディストリビューションを提供するわけではなく、RHELのサポートサービスを、手ごろな料金で提供します。RHELのインストールメディアを持たない新規ユーザーには、RHEL互換Linuxが提供されます。2008年にはUnbreakable Linuxの活躍が期待されます。
関連記事: | |
ITmedia「Oracle Unbreakable Linuxが国内展開開始、そのときミラクルは……」 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0708/30/news067.html |
2007年の締めくくりに、無償で利用できるディストリビューションを中心に、Linuxの動向を取り上げ、解説しました。同じLinuxと冠しながらも、中身はディストリビューションごとに多種多様です。これらをインストールすることなく使用する方法も先に解説しましたので、これを参考に、冬の夜長、帰省先で普段使わないディストリビューションを試してみてはいかがでしょうか。
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