同じプレゼンテーションや画像などを表示しても、ディスプレイやシステムを変えると異なる色で表示されることがある。これはディスプレイやビデオ・カードごとの表示特性の違いによる。これを修正し、どのシステムでも同じように表示されるようにすることをカラー・キャリブレーションという。Windows 7の[画面の色調整]機能を使うと、簡易カラーキャリブレーションが行える。
対象OS:Windows 7
あるPCで作成したプレゼンテーションをほかのPCの画面で見たら、表示された色がまったく違って見えた、という経験を持っている人もいるだろう。
そのPCに接続されたディスプレイと、別のPCのディスプレイの表示能力の違いという面もあるが、多くの場合、どちらか(または両方)のディスプレイの色調整が合っておらず、正しい色に表示されていないことが原因だ。
このような状態のディスプレイを利用していると、せっかく何時間もかけて作成したプレゼンテーションであっても、印刷したり、プロジェクタに表示したりすると文字が見えにくいものになってしまう可能性がある。
特にプレゼンテーションやWebページなどを作成したり、確認したりするディスプレイは、きちんとデータと表示色が合うように調整しておいた方がよい。これをカラーキャリブレーションという。
しかしカラーキャリブレーションを行うための周辺機器は、簡易な安いものでも1万円以上してしまう。
本格的に写真の加工を行ったり、印刷物を作成したりするような場合ならば、こうした周辺機器を利用すべきだ。しかしプレゼンテーションやWebページの作成程度ならば、Windows 7に標準搭載されている簡易な色調整機能である[画面の色調整]でも十分だろう。
本TIPSでは、[画面の色調整]機能を使い、ディスプレイの色調整を行う方法を紹介する。
色調整を開始する前に、ディスプレイの設定を標準状態に戻しておくとよい。ディスプレイのメニュー・ボタンを押し、ディスプレイ設定メニューで[設定を工場出荷時に戻す]などを選択し、初期状態に戻すとよい。このような項目がない場合は、ディスプレイのマニュアルを参照し、なるべく初期状態になるように設定を行うこと。
その後、[コントロール パネル]の[ハードウェアとサウンド]−[ディスプレイ]で、左側のメニューから[色の調整]を選択するか、Windows 7の[スタート]をクリックし、[プログラムとファイルの検索]の入力ボックスに「DCCW.EXE」と入力する。すると、[画面の色調整]ウィザードが起動するので、これを順番に進めていけばよい。
ウィザードでは、設定項目ごとに説明の次に、設定ページという順番で構成されているので、説明ページをよく読んで次に進むようにすれば、次の設定ページで迷うことはないだろう。
最初にガンマを調整する。画面に表示された模様を見ながら、左側のスライダーを上下させ、前の画面の「ちょうどよいガンマ」の表示に近づくように調整する。
次にディスプレイの明るさを調整する。これは画面を見ながら、ディスプレイ側の明るさ設定を変更することで行う。
その次は、ディスプレイのコントラストを調整する。これも画面を見ながら、ディスプレイのコントラストを調整することで行う。
色がほかのディスプレイと合わないような場合、カラーバランスがずれている可能性があるので、次の[カラー バランスの調整]で調整する。
これですべての調整が完了する。問題がないようならば、[完了]ボタンをクリックし、この設定を保存すればよい。なお作成された設定は、%SystemRoot%\System32\spool\drivers\colorフォルダの下に「CalibratedDisplayProfile-0.icc」というファイル名で保存される。
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