現在販売中の多くのノートPCは、プロジェクタなどの外部ディスプレイを接続して画面を表示したり、内蔵ディスプレイと合わせて同時に表示したりできる。しかしVista以前のWindows OSでは、素早く表示設定を切り替えるショートカット・キーの標準がなく、ノートPCベンダの独自ユーティリティなどを必要としていた。しかしWindows 7では、[Windows]+[P]キーを押すという共通の操作で、簡単かつ素早く表示設定を切り替えられるようになった。
対象OS:Windows 7
現在販売されている多くのノートPCは、プロジェクタのような外部ディスプレイを接続してさまざまな表示が可能だ。単純に内蔵ディスプレイから外部ディスプレイに切り替えて表示したり、内蔵ディスプレイと同じ画面を外部ディスプレイに表示したり、両方のディスプレイを合わせて単一のデスクトップ画面を表示したりする機能を標準で装備している。
しかしWindows Vista以前のWindows OSには、ディスプレイ表示設定を素早く切り替えるショートカット・キーが実装されていない(標準機能だけでも画面のプロパティを操作すれば切り替え自体は可能だが、「素早く」切り替えられるわけではない)。一般的には、ノートPC(あるいはグラフィックス・チップ)のベンダによる独自ユーティリティ・ソフトウェアの機能を利用するか、[Fn]キー+ファンクション・キーという特別な組み合わせのキーを押すといった独自の操作手順でないと、素早くは切り替えられない。そのため、切り替え用ショートカット・キーの標準がなく、ノートPCの機種によって切り替え手順が異なるという問題がある。
しかしWindows 7では、[Windows]+[P]キーを押すという共通の手順でディスプレイ表示設定を切り替えられるようになった。しかも、わずか2ステップの操作で素早く切り替えが可能だ。プレゼンテーション時に遅滞なくプロジェクタへ画面を表示する場合などで重宝するだろう。
Windows 7のPCにログオンし、外部ディスプレイを接続してその電源をオンにすると、自動的にWindows 7が外部ディスプレイを認識する。そこで[Windows]+[P]キーを押すと、次のようにディスプレイ表示設定の選択画面が表示される。
切り替えたいディスプレイ表示設定のアイコンをマウスでクリックすると、即座にその表示設定に切り換わる。あるいはキーボードの矢印キーでフォーカスを対象アイコンに合わせて[Enter]キーを押すか、[Windows]キーを押し下げたまま[P]キーを繰り返し押して対象アイコンにフォーカスを合わせたら[Windows]キーを戻す、という手順でも選択可能だ。
[Windows]+[P]キーによって現れる画面では、ディスプレイ表示設定の切り替えしかできない。ディスプレイの解像度や[拡張]選択時のディスプレイの並び順などの設定を変更するには、デスクトップ上で何もないところをマウスで右クリックして表示されるメニューから、[画面の解像度]を選ぶ。すると次の[ディスプレイ表示の変更]ダイアログが表示される。
ディスプレイの解像度や並び順は、このダイアログの(1)で対象ディスプレイを選択してから、(2)や(3)の設定を変更する。
もっとも外部ディスプレイの解像度については、通常、Windows 7のPlug and Playの働きにより、ノートPCに接続した際に最適な解像度が自動的に選択される。特別な事情がなければ、手動で変更する必要はないだろう。
外部ディスプレイのケーブルをノートPCから取り外すと、数秒後、自動的に内蔵ディスプレイだけが表示される設定に変わる。その後再び外部ディスプレイを接続すると、数秒後に前回の接続時の設定が反映される。こうした挙動のため、例えば外部ディスプレイの取り外し前に[プロジェクターのみ]を選んでいた場合、再接続すると自動的に内蔵ディスプレイの表示が突然オフになり、外部ディスプレイに表示が切り換わる。外部ディスプレイの利用が済んだら、[プロジェクターの切断]を選んでからケーブルを取り外した方が、後で慌てずに済む。
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