リモートデスクトップ接続のオーディオのリダイレクト機能を使えば、セッション中で再生したオーディオデータをクライアント側で再生することができる。Windows Server 2003のリモートデスクトップ接続ではこの機能はデフォルトでは無効になっている。設定を変更するにはグループポリシーやローカルコンピュータポリシーを変更する。
対象OS:Windows Server 2003
Windows Server 2003/Windows XP Professionalの「リモートデスクトップ接続サービス(ターミナルサービス)」は、Windows 2000 Serverのものと比べると、いくらか機能が向上しており、例えばフルカラーや「オーディオのリダイレクト」機能、グループポリシーによる拡張機能の制御などが利用できる。
オーディオのリダイレクトとは、リモートデスクトップで接続しているセッション中に再生したオーディオデータを、リモートデスクトップの接続元のコンピュータ上で再生する機能である。
仮想的なセッション中でオーディオデータを再生すると、そのデータは仮想的なオーディオデバイス「Microsoft RDP Audio Driver」に送られる。この音声データは圧縮されてクライアント(リモートデスクトップの接続元)コンピュータへ送られ、再生される(WAVやMP3、WMAといったWAVE系のデータに限る。MIDIシンセサイザー機能は利用できない)。
サーバコンピュータ上で直接再生するのと比べると音声の品質は悪くなるが(利用可能な帯域に応じて音声品質は変化する)、それでもまったくサウンド機能が利用できないよりはよいだろう。
このオーディオのリダイレクト機能は、Windows XP Professionalのリモートデスクトップ接続サービスではデフォルトで有効になっている一方、Windows Server 2003ではデフォルトでは無効になっている。そのため、いくらリモートデスクトップ接続時のダイアログでオーディオのリダイレクトを有効にしても(次の画面参照)、オーディオ機能を利用することはできない。
オーディオのリダイレクト機能を有効にするためには、Windows Server 2003のリモートデスクトップ接続(ターミナルサービス)のサーバ側設定を変更する。本Tech TIPSでは、これを有効にする方法について解説する。
サーバ側の設定をまとめて変更するなら、グループポリシーを利用する方法が簡単である。グループポリシーエディタを起動して、以下のポリシーを設定する。
ワークグループネットワークの場合や、特定のサーバコンピュータだけで設定するのなら、ローカルコンピュータポリシーを変更する。[スタート]メニューの[ファイル名を指定して実行]で「gpedit.msc」と入力して実行すると、ローカルコンピュータポリシーを変更するためのグループポリシーエディタが起動する。後は、上の画面で指定したグループポリシーオブジェクトを変更すればよい。
いずれの場合でも、Tech TIPS「Windows Server 2003のサウンド設定を変更する」に基づいて、あらかじめWindows Server 2003のサウンド機能を有効にしておく必要がある。
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