互換性や相互運用性テストなどのために、複数のバージョンのOffice製品をシステムにインストールして利用したい場合がある。複数のバージョンのOffice製品を利用したければ、古いバージョンから順にインストールすればよい。ただしメニュー項目やその構成などが上書きされることがあるので、インストール前にメニューのショートカットを保存しておくとよい。
対象ソフトウェア:Office 2000/Office XP/Office 2003/2007 Office System
業務用のメイン・アプリケーションとして、Microsoft Office製品を利用しているケースは少なくないだろう。だがOffice製品にはさまざまなバージョンがあり、新しい製品シリーズが発売されるたびに、バージョンアップや互換性のチェック作業などが必要になる。バージョンアップせずに、元のバージョンのままずっと使い続けるという方法もあるが、新しいOffice製品で作成されたデータを受け取る可能性もあるので(新しく導入するコンピュータには最新のOffice製品がプレインストールされていることが多いし、社外から送られてくるデータだとバージョンもまちまちである)、必要に応じて複数のバージョンのOffice製品を使い分ける必要がある。
複数のバージョンのOffice製品を利用する一番簡単な方法は、1台のコンピュータに複数のバージョンのOffice製品をすべてインストールしてしまうことである。少し注意が必要だが、手順さえ守ればOffice 2000、Office XP(Office 2002)、Office 2003、2007 Office Systemの各バージョンを同時にインストールして使い分けることができる。本TIPSではこの方法について解説する。また以下のサポート技術情報なども参考にしていただきたい。
複数のバージョンのOffice製品をシステムにインストールするためには、必ず古いOffice製品から順にインストールしなければならない。例えばOffice 2000以降のOffice製品を利用したければ、次の順でインストールする。SRやSPはサービスパック(サービス・リリース)であり、2007年2月現在では以下のSRやSPがリリースされているので、それらも同時にインストールしておく(SR/SP適用後には、さらにOffice Update/Windows Update/Microsoft Updateなどで最新のセキュリティ・パッチも適用しておくこと)。
例えばすでにOffice 2003がインストールされているシステムの場合は、より古いバージョン(Office XPなど)をインストールすることはできないので注意していただきたい。またインストール時のオプション選択画面では、過去のバージョンを置き換える(削除/アップグレードする)のではなく、それらを残したまま、新しいバージョンを追加インストールする。なおこのインストール順序は、Officeスイート製品だけでなく、WordやExcelなどの単体アプリケーションを複数インストールする場合でも同じである。古いバージョンのものから順にインストールしなければならない。
基本的には以上のインストール方法で複数のバージョンをインストールできるが、Outlookだけはどれか1つのバージョンだけしか利用できない(新しいものをインストールすると、古いものは自動的に上書き更新される。残したままにすることはできない)。
Officeの複数のバージョンを追加してインストールする場合は、メニュー項目の上書きに注意が必要である。Office 2000とOffice XPでは、同じメニュー項目名が利用されるからだ。
Office 2000がインストールされたシステムにOffice XPを追加インストールすると、[スタート]−[プログラム]メニューに登録された[Microsoft Word]や[Microsoft Excel]などのショートカットがすべてOffice XPバージョンに更新される。そのため、Office 2000のWordやExcelを起動することができなくなる。これを避ける一番簡単な方法は、Office XPのインストール前に、[スタート]メニューに登録されているOffice 2000のショートカットをどこかへ一時コピーしておき、Office XPのインストール後にそれらを復旧させることだ。もしくは、[プログラム]メニューの中に新しく[Microsoft Office 2000]といったフォルダを新規作成し、その中へ移動しておけばよいだろう。
ちなみに、Office 2000/Office XP/Office 2003/2007 Office Systemの4つの製品をこの順で追加インストールすると、[スタート]メニューの内容は次のようになる。
混乱を避けるためには、各Officeバージョンのインストールごとにメニュー中に[Microsoft Office 2000]や[Microsoft Office 2002][Microsoft Office 2003]といったサブフォルダを作成して、その中へメニュー項目を移動しておくのがよいだろう。
複数のバージョンのOffice製品をインストールすると、ファイルの関連付け(例えば.docファイルをダブルクリックしたときに起動されるアプリケーションの指定)が、最後にインストールしたOffice製品になってしまう(Wordのように、最後に起動したものがデフォルトになるものもある)。これを変更するには、TIPS「ファイル・タイプの関連付けを変更する2つの方法」や「コマンド・プロンプトでファイル拡張子の関連付けを変更する」などの方法を使って、起動するアプリケーションを変更する。
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