Microsoft Officeをインストールすると、デフォルトで付属の「Office IME」もインストールされる。だがOfficeの修正プログラムを適用すると、普段使っているIMEに代わってOffice IMEがデフォルトに切り替わることがある。これを防ぐにはOffice IMEをシステムから完全に削除する。
対象ソフトウエア:Office 2003/Office 2007
Microsoft Officeスイートには「かな漢字変換プログラム」すなわちIME(Input Method Editor)が同梱されている。例えばOffice 2003にはOffice IME 2003、Office 2007にはOffice IME 2007がそれぞれ含まれており、デフォルトでOfficeと一緒にインストールされる(以下、まとめて「Office IME」と記す)。ただ、Windows OSでは複数のIMEをインストールして切り替えながら利用できるため、Office IMEがインストールされたまま、使い慣れたIMEを選んで利用している場合が多いだろう。
ところが、自分でIMEを切り替えた憶えはないのに、ある日突然、何かの拍子に普段のIMEからOffice IMEに切り替わってしまうことがある。その原因の1つとしては、例えば知らないうちにIMEを切り替えるキー操作(デフォルトでは[左Alt]+[Shift]キー)を行ってしまうことが挙げられる。こうした場合は、TIPS「不要なかな漢字変換プログラムを削除する」の方法でOffice IMEを削除すれば解消できる。
しかしOffice IMEに限っては、上記TIPSの対策をした後でも、再び復活してデフォルトのIMEに切り替わることがしばしばある。たとえ手動で普段のIMEに戻しても、数カ月後に再びOffice IMEに切り替わってしまうのである。
筆者が確認した限りでは、Officeの修正プログラムを適用するとOffice IMEへの切り替わりが発生することがある。例えばマイクロソフトの月例セキュリティ・アップデートの際、Microsoft Updateや自動更新によってOfficeのセキュリティ修正プログラムを適用した場合が挙げられる。ただし、すべてのOffice用修正プログラムが該当するわけではなく、WordやExcel、Outlookなど個別のアプリケーション用修正プログラムの適用では発生しないこともあるようだ。その一方で、明らかにOffice IMEを更新しないOffice用修正プログラムなのに本現象が発生することがある。
とはいえ、セキュリティ修正プログラムを適用せずに脆弱性を放置するわけにもいかない。
原因はともかく、この問題は、Office IMEをシステムから「完全に」削除することで解消できる。もちろんOffice IMEは利用できなくなるが、使い慣れたIMEのみを利用しているなら支障はないだろう(筆者はOffice IMEを完全に削除してジャストシステムのATOKシリーズを数年に渡って使い続けているが、特に問題は生じていない)。本稿では、Office 2003とOffice 2007に付属するIMEを対象に、その完全な削除の手順を説明する。
Office IMEを完全に削除するには、Officeのセットアップ・ウィザードを起動する必要がある。それには、OSごとに次の手順を実行する。
セットアップ・ウィザードの操作手順は、Office 2003とOffice 2007で異なるので、以下では別々に説明する。
Office 2003のセットアップ・ウィザードが起動したら、最初の「メンテナンス モード オプション」画面で[機能の追加/削除]を選択する。次の「カスタム セットアップ」画面では、[アプリケーションごとにオプションを指定してインストール]にチェックを入れて次に進む。
「詳細なカスタマイズ」画面が表示されたら、コンポーネントのツリーから[Office 共有機能]−[入力システムの拡張]−[IME]を見つけ、[インストールしない]という設定に変更する。
[A]
あとはウィザードを進めていけばOffice IMEの削除は完了する。
Office 2007のセットアップ・ウィザードが起動したら、最初の画面で[機能の追加/削除]を選択する。次の「インストール オプション」画面で、コンポーネントのツリーから[Office 共有機能]−[Microsoft Office IME (日本語)]を見つけ、[インストールしない]という設定に変更する。
[A]
あとはウィザードを進めていけばOffice IMEの削除は完了する。
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