富士通ラーニングメディアは1月30日、人材育成のトレンドと2008年の事業戦略についての説明会を開いた。2008年度は、企業の人材育成への投資の増加を背景に、体系的な人材育成を支援する。
富士通ラーニングメディア 代表取締役社長 岡田恭彦氏は最近の人材採用動向について、サブプライムローンや株式の暴落など市況に不透明感がある中、「相変わらず大企業では強い採用の意欲が続いているが、中小企業系の雇用情勢が少し緩んできていると感じる」と説明。岡田氏は「人材育成ビジネスは好景気に遅れて結果が来る。本当に景気が良くならないと活性化しない産業だが、悪くなるときはいの一番に悪くなるから景気動向から目が離せない」と述べた。
一方で、岡田氏は、景気の先行きが不透明であっても「企業の人材育成への投資は旺盛である」とも断言する。若者の就労人口が減っていく中、人材不足を人材育成で補うという動きがあるからだ。企業は、体系的に人材育成をしていかないと本当の人材に育たないと考え、人材育成への投資を続ける傾向が見られるという。
以上のような背景から、富士通ラーニングメディアは2008年度、研修単体受講から「人材育成全般への取り組み」、より高度な人材を現場に投入するための「プロフェッショナルの育成」、徒弟制度に頼らない「体系だった組み込み系教育の定着」に取り組む。
「人材育成全般への取り組み」では、研修や人材育成を部分的に切り出して提供するのではなく、人材育成のコンサルティングサービスを行ったり、顧客の社員のスキルレベルを計るスキル診断(SkillCompass)を行う。
「プロフェッショナルの育成」では、大規模プロジェクトに携わるプロジェクトマネージャの育成を行う。プロジェクトマネジメントの2007年度下期の定期講習会提供数は、1年前と比べ42%の伸び率で人気が高い。富士通ラーニングメディア 専務取締役 楠武芳氏は、「プロジェクトの失敗が多く、大規模プロジェクトの失敗を回避することが大きな命題になっているからではないか」と推測する。
「体系だった組み込み系教育の定着」では、組み込みスキル標準(ETSS)の枠組みに沿ったコース体系を提供する。
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