VMware上のアプリケーション障害対応を簡単に自動化芝通が低価格なツールを発表

» 2009年01月21日 00時00分 公開
[三木泉,@IT]

 SI事業などを行う芝通は1月19日、同社が開発したVMware環境上のアプリケーション監視/リカバリ・ツール、「掌(たなごころ) for VMware」を発売した。仮想マシン上のアプリケーションの死活監視を自動的に行い、安価に可用性を向上できる。価格は1ライセンス9万8000円(ライセンス体系はVMware Infrastructure 3と同じ)だ。

 掌サーバはVMware上の仮想マシン(仮想アプライアンス)として動作し、同一の物理マシン(すなわち同一のVMware ESX)上で稼働するほかの仮想マシン上で動作するアプリケーションを監視できる。

 アプリケーションの死活監視は、掌サーバからのping、指定ポートに対するポートスキャンのほか、telnet/sshによるpsコマンドなどのコマンドやスクリプトの実行結果と指定文字列との照合などによって行う。想定した結果が返ってこない状況が指定回数繰り返されると、そのアプリケーションに障害が起こったと判断し、VMwareのAPIを通じてこのアプリケーションを動かしている仮想マシンを自動的に再起動する。設定や監視は、掌サーバに対してWebブラウザでアクセスすることで実行できる。

sshによる監視の設定画面

 リカバリ機能は高度なHAクラスタリング製品には及ばない。しかし低価格で、管理者にとって使いやすい仕組みを提供できるのがメリットだという。「一般的なクラスタリングソフトでは、仮想マシンへのエージェントのインストールが必要になる。また、スクリプトの作成などが複雑で、SEを呼ばなければならないことがある。掌では、管理者が自分で簡単に設定して使えることを目指している。障害対応では、リブートさえできればいいケースが多い」(芝通 ソリューション事業部 コンサルティング&ソリューション企画部 部長代理 堀沢茂輝氏)。

 掌は幅広いアプリケーションに適用できることも特徴。社内開発のアプリケーションについても、SSHで内部コマンドの実行結果を監視するなどにより対応できる。

 ヴイエムウェアは現在、「VMware HA」で再起動型のHA機能を提供しているが、これにはアプリケーションレベルの監視機能を組み込んでおらず、ハードウェア障害対応に留まっているところから、同製品との棲み分けができるという。また、掌の導入に際し、VMware HAの機能は前提条件とならない。従って、VMware ESXiやVMware Foundationで利用できる。

 提供開始された掌のバージョン1では、単一の物理サーバ上での監視と再起動の機能に限定されている。しかし2月中旬にリリース予定のバージョン1.1で、複数の物理サーバにまたがった監視と再起動を実現する。さらに3月には、VMware HA配下のすべての仮想マシンを対象とした監視と再起動が可能な上位バージョン、「掌 for VMware HA」を提供の予定という。芝通は今年中頃に、英語版の提供も計画している。

 芝通は掌 for VMware V1をネットワールドを通じて販売している。同社のホームページでは評価版のダウンロードも可能となっている。

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