今回もシスコのルータ/スイッチの初期設定にチャレンジする。今回はルータ/スイッチにIPアドレスを構成し、その構成情報を保存する方法などを学んでいく。まずは次の問題を考えてみよう。
Q1) 次のうち、ルータにIPアドレスを構成するコマンドはどれですか。
Q2) 次のうち、ルータの構成情報をNVRAMに保存するコマンドはどれですか。
IPアドレスとは、ホストを識別するときに使用する32ビット(bit)の値である。TCP/IPを使用するときは、コンピュータと同様にルータにもIPアドレスが必要になる。ただし、ルータにはインターフェイスごとに異なるIPアドレスを割り当てる。なぜなら、ルータはサブネットとサブネットの間に存在するデバイスだからである。
では、実際にリモートラボを使ってシスコのルータ/スイッチの動作を確認する。今回もリモートラボの「CiscoルータおよびCatalyst1900スイッチの初期設定」コースを使用した。ここでは、ルータ/スイッチのインターフェイスethernet 0に、IPアドレス10.1.1.11/24を構成する。
前回(「ルータ/スイッチの初期設定に挑戦(前編)」)、モードについて解説したように、インターフェイスに関する構成は、インターフェイスコンフィグモードに移行してから行う必要がある。実際に構成する際に使用するコマンドは、interfaceコマンドである。この書式は次のとおり。
interface インターフェイス名 番号
今回は、0番目のイーサネットのインターフェイスの構成を変更するため、interface ethernet 0とする。リモートラボでは、ethernet 0を省略した形であるe0となっているので気を付けてほしい。次に、インターフェイスにIPアドレスを指定する。IPアドレスを指定するコマンドは、次のとおりである。
ip address IPアドレス サブネットマスク
Ciscoルータ/スイッチでは、ビットカウント形式でサブネットマスクを表記する。ビットカウント形式とは、先頭から何ビット(bit)までがネットワーク番号かをビット数で表す形式である。例えば、10.1.1.11/24とある場合は、先頭から24ビットがネットワーク番号を示す。ただし、ip addressコマンドは、サブネットマスクをドット付き10進法形式で指定しなければならないので、実際のコマンドは、次のようになる。
ip address 10.1.1.11 255.255.255.0
最後にインターフェイスを有効にする。インターフェイスを有効にするコマンドは、次のとおりである。
no shutdown
このコマンドは、インターフェイスを無効にするshutdownコマンドの逆を行うためのコマンドである。Ciscoルータ/スイッチには、あるコマンドの逆を行う場合、通常のコマンドの前にnoを付けて実行すればいいものがある。例えば、先ほどインターフェイスに構成したIPアドレスを取り消すには、no ip addressコマンドを使用する。構成が終了したら、インターフェイスの状態を確認する。このコマンドはshow interfaceである。実行結果の例を、以下に示す。
次にshow interfaceコマンドを実行して、「Ethernet0 is up, line protocol is up」と表示されることを確認する。Ethernet0 is upとは、イーサネット0のインターフェイスの物理層レベルでの通信が、正常であることを表している。line protocol is upは、データリンク層レベルでの通信が正常であることを表す。
そのため、show interfaceコマンドを実行することで、正常に通信できない場合の原因の見当がつくことが多い。show interfaceコマンドの表示結果から考えられる、正常に通信できない主な原因は、次のとおりである。
表示結果 | 考えられる原因 |
---|---|
Ethernet0 is administratively down, line protocol is down |
インターフェイスでno shutdownコマンド が入力されていない |
Ethernet0 is down, line protocol is down | ケーブルの断線など |
Ethernet0 is up, line protocol is down | カプセル化タイプが一致していないなど |
Ethernet0 is up, line protocol is up | IPアドレスの構成が誤っているなど |
show interfaceコマンドに関連するコマンドに、show ip interfaceというコマンドがある。これは、TCP/IPに関連するインターフェイスの構成を確認するコマンドである。リモートラボでの実行結果を次に示す。
Ciscoルータ/スイッチには、2つの構成情報が存在する。1つはRAMにある現在実行中の構成(running-config)であり、もう1つはNVRAMに保存されている構成(startup-config)である。ルータ/スイッチは、起動時にstartup-configの内容をRAMに読み込む。このRAMに存在する構成をrunning-configといい、ルータ/スイッチの起動中はこのrunning-configを使用して構成する。
構成コマンドを入力して変更されるのは、実はこのrunning-configである。しかしrunnning-configは、電源を切ったりルータ/スイッチを再起動したりすると、その内容を失ってしまう。そこで、構成が終了したらrunning-configの内容を、NVRAMに保存する必要がある。NVRAMに保存するコマンドは、copy running-config startup-configであり、次の書式で利用する。
copy コピー元 コピー先
これで、コピー元からコピー先へ内容をコピーする。従って、copy startup-config running-configというコマンドも存在する。ただし、running-configに対するコピーは、併合(マージ)となり、copy running-config startup-configコマンドのような上書きコピーはされないので、注意してほしい(図1)。
Q1: B
Q2: D
Q1) 次のうち、VLANを作成するメリットはどれですか?
Q2) 次のうち、Catalyst 1900でポートにVLANを割り当てるコマンドはどれですか?
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