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前回の記事では「目的や前提を明確にする」ことの大切さについてお伝えしました。
記事の中で紹介した若手プログラマの例では、単純に「この資格を取るべきか?」を考えるのではなく、あらためて目的を問い直したうえで、「この資格を取ることが、考え得る多くの手段の中で最も目的に合致しており、かつ取得が可能で、コストに見合うと判断できるのなら取るべき」という思考プロセスが必要でした。
ここで、彼は新たな問題に直面することになります。
これらの問いに答えるための指針、すなわち「自分戦略」を明確にしておけば、より目的に合致した判断を行うことができます。
従ってここからは、「自分戦略を作る」という目的を掲げ、それについて考えていきたいと思います。
これは「目的や前提を明確にする」の一部ともいえるのですが、漠然と「分かったつもり」になっていることを、あらためて「定義して具体化する」ことは意外と難しく、つい怠ってしまいますので、あえて入れました。
「自分戦略を作る」という目的を掲げたら、次は「自分戦略」という言葉を定義して具体化しなければなりません。では、このつかみどころのない言葉をどのように具体化すればよいのでしょうか。
そもそも「戦略とは何か?」――この問いに明確に答えられる人は少ないと思います。戦略という言葉は、「普段よく使っているけど、それが何かと聞かれるとうまく説明できない言葉」の代表格です。みんなが当然のように戦略、戦略と唱えるので、その意味や定義を改あらためて問わずに、使用してしまいがちです。
ここで自分戦略という言葉を考えるに当たり、まずは経営戦略の定義を流用するところから始めたいと思います。『新版MBAマネジメント・ブック』(ダイヤモンド社)によると、戦略とは「企業または事業の目的を達成するために、持続的な競争優位を確立すべく構造化されたアクション・プラン」と定義されています。これに従えば、自分戦略とは「自分自身の目的を達成するために、持続的な競争優位を確立すべく構造化されたアクション・プラン」といえるでしょう。
自分戦略とは「自分自身の目的を達成するために、持続的な競争優位を確立すべく構造化されたアクション・プラン」と定義しました。ただこれではまだ抽象的なので、さらに具体的に見ていきましょう。
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