アイシーキュー
ICQ(語源は“I seek you”)は簡易なメッセンジャーソフトとして非常に人気があり、世界中で1億3000万人以上のネット利用者に愛用されるソフトウェアの1つである。自分の趣味や国籍、ポリシーなどをID情報として登録することによってインターネット上でさまざまな国の友人ができたり、離れたところの友人と簡単にメッセージのやりとりができるなど、そのアイデアは素晴らしく、フリーソフトとしての価値は高い。
しかし一方で、脆弱性についての情報が後を絶たないことも事実であり、さまざまな人と簡便にメッセージのやりとりができる半面、危険な側面も持っている。
基本的な弱点として、ICQが、ユーザー1人1人に「ICQ番号(UIN)」を与え、それに基づいて個人が識別される仕組みが挙げられる。なぜならそのICQ番号は自然数であるため、適当な8けた程度の番号を記述しても、当該ユーザーがICQ番号の登録を解除でもしていない限り、そのユーザーは存在してしまう。特定のユーザーを攻撃するのにユーザー名を特定しなくても攻撃できるということになる。
また、ごく簡単な構文で生成されるツールによって接続元のIPが知られてしまったり、メッセージを連続的に送信し続けることで相手の通信のパフォーマンスを低下させることも十分に可能となる。まさにスクリプトキディにとってイタズラの格好の対象になっている。
ICQのセキュリティ対策としては、「メッセージ受信拒否リスト」や「本人の認可したユーザー以外からメッセージを受け取らない」などの設定があるが、実際には「強制的にユーザーを認可させるツール」が出回っており、根本的な解決にはなっていないのが現状である。
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