最後に、XFSを使う方法を紹介する。例では、Fedora Core 1環境でカーネル2.6.7を使用した。
まず、カーネルがXFSをサポートしているかどうかを確認する。サポートしていない場合は、カーネルのコンフィグレーション時に「XFS filesystem support」を有効にして、カーネルの再構築を行う。
また、XFSを使用するには、3つのシステムユーティリティを下記バージョン以降にアップデートしておく必要がある。
カーネルのXFSサポートを有効にしたら、XFSコマンドツールをインストールする。XFSコマンドツールには、以下のようなものがある。
上記の中で、XFSファイルシステムを扱う際に最低限必要なツールはxfsprogsである。
例として、xfsprogsをRPMパッケージでインストールしてみる。
http://public.planetmirror.com/pub/sgi-oss/xfs/Release-1.2/cmd_rpms/SRPMS/からxfsprogs-2.3.5-1.src.rpmをダウンロードし、以下のコマンドを実行する。
rpm -ivh xfsprogs-2.3.5-1.i386.rpm |
次に、XFSファイルシステムを作成する。XFSファイルシステムの作成は、ほかのLinuxファイルシステムと同様に、mkfsコマンドを使用する。
mkfs -t xfs /dev/<device_file> |
または |
mkfs.xfs /dev/<device_file> |
mkfsコマンドの書式。<device_file>はXFSファイルシステムを作成するパーティション |
# mkfs -t xfs /dev/hda6 |
mkfsコマンドの実行例 |
XFSファイルシステムをマウントするには、mountコマンドに-t xfsオプションを指定する。
mount -t xfs /dev/<device_file> /<mount_point> |
mountコマンドの書式。<device_file>はXFSファイルシステムが存在するパーティション。<mount_point>はマウントする位置 |
# mount -t xfs /dev/hda6 /mnt/xfspart |
mountコマンドの実行例 |
dfコマンドで、XFSファイルシステムがマウントされていることを確認する。
# df -T |
システム起動時にXFSファイルシステムが自動的にマウントされるようにするため、/etc/fstabにXFSの設定を記述する。
LABEL=/ / ext3 defaults 1 1 |
xfs_freezeは、XFSファイルシステムへのアクセスを一時的に停止(停止解除)するコマンドである。この機能は、例えばLVM(論理ボリュームマネージャ)で構成されたボリューム(ディレクトリ)に対し、スナップショットを作成する際に用いる。
xfs_freeze [ -fu ] mount-point |
xfs_freezeコマンドの書式 |
-fオプションで、ファイルシステムを凍結する。このオプションを選択すると、実行中のトランザクションは完了するが、新たな書き込み操作は停止される。
-uオプションで、ファイルシステムの凍結を解除する。ファイルシステムへのアクセスを再開し、ブロックされていた処理を完了する。
# xfs_mkfile 10k /mnt/xfs/test.txt ←10kbytesのファイルを作成する |
xfs_freezeコマンドの実行例 |
上記の例のように、rmコマンドは完了せず停止する。ここで、ターミナルをもう1つ立ち上げ、アクセスの停止を解除する。
# xfs_freeze -u /mnt/xfs ←-uオプションでXFSファイルシステムへのアクセス凍結を解除 |
スナップショットとは、その時点におけるファイルのコピーをスナップショット領域に作成する機能で、バックアップなどの目的で用いられる。
通常のファイルシステムの場合は、スナップショット作成時にファイルアクセスを停止させる必要がある。そのため、Sambaデーモンを停止させたり、OSをシングルユーザーモードに変更しなければならない。しかし、XFSを利用している場合はxfs_freezeコマンドを使うことで、一時的にファイルアクセスを停止してスナップショットを作成できる。つまり、XFSとLVMを組み合わせれば、Windows Server 2003と同じように業務運用中に(Sambaを止めずに)シャドーコピー(スナップショット)を作成できる。
XFSファイルシステムを作成したときと同じように、iノードやアロケーショングループのサイズなどの情報が得られる。
# xfs_info /mnt/xfs |
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