Eclipse WTPを使った始めてのWebアプリEclipse 3.1を使おう(4)(2/2 ページ)

» 2005年11月29日 00時00分 公開
[的場聡弘, 岡本隆史NTTデータ]
前のページへ 1|2       

JSPを実行する

 さて、ここまでできたら実行してみましょう。左側の[プロジェクト・エクスプローラー]の[webPrj]を右クリックし、[実行]→[サーバーで実行](Alt-Shift-X、R)を選び、起動するサーバとして、先に作成しておいた[tomcat 5.5]を選択して実行します(図5)。

図5 Tomcat 5.5を選択 図5 Tomcat 5.5を選択

 しばらくすると、作業画面の中央、エディタ領域にブラウザが現れ、index.jspが表示されます。身長と体重を入力して[計算]を押すと、BMIが表示されます(図6)。

図6 エディタ領域に表示された肥満度計算機アプリケーションの実行結果 図6 エディタ領域に表示された肥満度計算機アプリケーションの実行結果

デバッグする

 WTPは、JSR-045(JavaクラスファイルにJava言語以外の行番号情報も格納できる仕組み)に対応したデバッグ機能を備えています。今回使用している Tomcat 5.5もJSR-045に対応しているので、JSPレベルでデバッグすることが可能です。

 例として、JSPに行ブレークポイントを設定してステップ実行してみましょう。

JSPに行ブレークポイントを設定する

 index.jspをエディタで開き、[]のようなHTMLでないタグが存在する行にカーソルを置いた状態で、エディタ左側をクリックすると、そこに行ブレークポイントを設定できます(図7)。

図7 ブレークポイントの設定 図7 ブレークポイントの設定

Tomcatをデバッグモードで起動する

 [サーバー]ビューの[Tomcat v5.5 サーバー@localhost]という行に注目してください。[状況]欄が[始動済み]になっているなら、まずは停止する必要があります。その行を選択し、右クリックメニューから[停止]を実行して[状況]を[停止]にしてください。

 その後、右クリックメニューから[デバッグ]を実行すると、Tomcatをデバッグモードで実行できます。[状況]が[デバッグ]になることを確認してください。

注意

しばしば、WTP上でTomcatサーバの状態を管理できていないことがあります。このようなときは、通常のtomcatの停止方法(Tomcatインストールフォルダにある shutdown.batを実行)を使って停止してからやり直すと、うまくいくことがあります。


ブラウザから index.jsp にアクセスする

 ブラウザ画面からindex.jspにアクセスすると、Eclipseは自動的にデバッグ画面に切り替わり、設定したブレークポイントで一時停止しています。ここから、Javaプログラムのデバッグと同じように、JSP上でステップ実行したり、[変数]ビューから変数の値を変更したり、session変数をほどいてセッションスコープのJavaBeanを削除したり、といった操作を実行できます(図8)。

図8 デバック画面(クリックすると拡大) 図8 デバック画面(クリックすると拡大)

Web Archiveにまとめる

 出来上がったWebアプリケーションは、開発環境であるEclipseの中に置いておいては使い物になりません。プロジェクト全体を Web Archive形式にまとめてリリースすることで、やっと完成となります。

 [ファイル]→[エクスポート]から、[WAR ファイル]を選択し(図9)、[web モジュール]には作成したプロジェクトである[webPrj]を、[宛て先]には warファイルの保存先を指定(図10)して[終了]をクリックするだけで war ファイルが出来上がります。後はWebアプリケーションサーバにこのwarファイルをデプロイすれば、そのサーバ上でWebアプリケーションが動作します(作成したWebPrj.warはここからダウンロードできます)。

図9 WARファイルを選択 図9 WARファイルを選択
図10 エクスポート先を指定 図10 エクスポート先を指定

まとめ

 以上までで、EclipseにWTPをインストールし、Webアプリケーションを作成し、J2EEサーバと連携して実行、デバッグ、デプロイする手順を見てきました。

 本記事ではWTPのWebアプリケーション開発にかかわる機能に注目して説明していますが、冒頭の説明のとおり、WTPではWebアプリケーションだけでなく、J2EEに基づくサーバサイドアプリケーション全体を守備範囲としています。EJBやWebサービスなどを作成する場合でも、WTPは開発環境としてのパワーを発揮してくれることでしょう。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。