用意したEMP_VPD表にポリシーを作成します。Oracleエクスプローラで、SYSTEMユーザーでの接続からOracle問合せウィンドウを開いてリスト2のコードを入力し、実行します(図17)。
BEGIN |
リスト2 ポリシーの追加 |
ポリシーの追加には、DBMS_RLS.ADD_POLICY関数を使用します。リスト2に赤字番号で示したそれぞれのパラメータの概略は以下のようになります。
Oracleデータ・ウィンドウを使用してEMP_VPDのデータを確認します。ポリシーを設定する前には見えていたデータが見えません。普通に接続されたセッションにはCLIENT_IDENTIFIERの値がセットされていませんので、ポリシーに従い、「WHERE 1=2」が内部的に追加され、データが表示されないのが正常な動作になります(図18)。
CLIENT_IDENTIFIERに値をセットするには、.NETアプリケーションではClientIdを使用することで簡単にセットできますが、問合せウィンドウからプロシージャ(DBMS_SESSION.SET_IDENTIFIER)を使用してセットすることも可能です。CLIENT_IDENTIFIERをセットした後であれば、条件に応じたデータが表示されます。
正常にVPDの設定ができたかどうかを確認するために、CLIENT_IDENTIFIERにD10をセットして、その後、EMP_VPD表にアクセスします。D10がセットされているのでdeptnoが10のものだけが表示されることが確認できます(図19)。
まず、リスト3のプロシージャを使用して、CLIENT_IDENTIFIER値をセットし、同じ問合せウィンドウ内で、SELECT文(リスト4)を実行します(図19)。
BEGIN |
リスト3 CLIENT_IDENTIFIERの値をセット |
SELECT * FROM emp_vpd; |
リスト4 emp_vpdにアクセス |
問合せウィンドウでは、クエリの結果をグリッドで表示しますが、テキスト形式での表示に変更することも可能です(図20)。
以上でVPDの設定・確認は終了です。
今回はVPDの設定をODTの機能を使用して行いました。ODTを使用することで、VPDのような複雑な設定を含め、アプリケーション開発に必要なデータベース上の作業はすべてVS.NETから可能であることが理解できたと思います。また、データベースの設定だけではなく、PL/SQLの開発もVS.NETを用いてコーディングからコンパイルまでを行うことができます。
次回は、いよいよ今回設定した表にアクセスする.NETアプリケーションを作成します。ご期待ください。
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