フォレストに複数台のDCを配置したら、次は、検索処理の可用性(1台のコンピュータが停止した場合でも、サービスの提供ができる状態)の確保と負荷分散のために、グローバル・カタログ・サーバ(以下GCサーバ)を構成しよう。デフォルトでは、フォレストの1台目のDCが自動的にGCサーバの役割を担うことになっているが、可用性確保のためにも各サイトに1台以上のGCサーバを設定しておくのがよい。GCサーバは、ログオン認証や検索要求の際に利用されるので、これが停止しているとユーザーがログオンできなくなってしまう。従って可能なら、2台以上のGCサーバを構成しておきたい。
GCサーバの追加は次の手順で行う。
GCサーバはほかのドメイン情報のコピーを保持するため、あまり台数を増やすと、複製用のトラフィックが増加する。そのため、各サイトに1台程度を目安として構成するのがよいだろう。
2台目以降のDCのインストールを実行すると、インストール時にネットワーク経由で、すでにインストール済みのDCから、Active Directoryデータベース内のオブジェクトが複製される。複製元のDCとインストール中のDCの拠点が別拠点の場合、複製トラフィックはWAN回線を経由することになる。そのため、既存のオブジェクトが多く存在するドメイン環境では、2台目以降のDCのインストールにとても時間がかかってしまったり、エラーでインストールが完了しないということが起こる可能性がある。Windows 2000のDCを使用する場合には、このような問題を避けるために2台目以降のDCを既存のDCと(物理的に)同じ拠点でセットアップしてから、運用拠点に輸送するという方法を実施していた方々も多いようだ。Windows Server 2003では、新たにDCPROMOコマンドに/ADVオプションが追加された。/ADVオプションを利用すると、1台目でバックアップしたActive Directoryデータベースを2台目以降のDCに復元(別の場所に復元)し、2台目以降のDCインストール時に、復元したデータベースからActive Directoryオブジェクトのデータを読み込む処理を行う。その後、オンラインで既存のDCから全オブジェクトを最新の状態に更新する。これにより、2台目以降のDCのインストール時に発生するネットワーク負荷を軽減するとともに、インストール時間を短縮できるようになった。
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