次はバックアップ対象を分割する方法を見ていきましょう。分割は表領域単位で行う方法と、データファイル単位で行う方法があります。これらの方法は規模の大きいデータベースで、許された時間帯だけでは全体バックアップを取得することが困難であるケースなどで有効です。
表領域またはデータファイル単位で分割してバックアップを行った場合の注意点や分割の単位を以下にまとめましたので、参考にしてください。
第7回「物理バックアップの失敗を根絶するノウハウ」でも説明しましたが、OSコマンドによるバックアップと同様にRMANでも分割してバックアップを行っている場合は、バックアップの取得漏れがないように運用する必要があります。例えば、データファイルや表領域が追加された場合には、忘れずにバックアップのコマンドも修正する、またはバックアップ実行直前に、データディクショナリ表からバックアップ対象を動的に取得する仕組みを作る必要があります。これを怠ると、バックアップの取得漏れが発生します。
データベース全体のバックアップまたは増分バックアップを毎日取得する場合は、直近のバックアップ開始前に出力されたアーカイブREDOログファイルは、リカバリ時に必要ありません。これに対して分割でバックアップを行った場合は、すべてのデータファイルのバックアップが終わるまでの期間も含めて保存しておく必要があります。そのため、分割する日数が大きいほど保存期間が長くなるため、バックアップの保存先の容量に注意してください。また、アーカイブREDOログファイルの適用数が増えるので、リカバリに時間がかかることも覚えておいてください。
実際にどのようにしてバックアップを分割すればよいかを考える場合は、以下2つのアプローチから考えてみましょう。
続いて、具体的に分割してバックアップするコマンドを説明します。図8にある月曜日のバックアップを行う場合は、リスト6のようなコマンドになります。RMANではバックアップ時に表領域を指定すると、制御ファイルやリカバリ・カタログを調べて該当するデータファイルすべてをバックアップ対象とします。
configure channel device type disk |
リスト6 表領域を指定してバックアップを取得する |
データファイル単位でバックアップを行う場合は、バックアップ対象にファイル名を指定する方法とファイルIDを指定する方法があります。データファイル単位でバックアップを取得する場合は、大きなデータファイルを複数持つ表領域を分割してバックアップを行うことが可能です。ただし、バックアップの管理が煩雑になりやすいため、注意が必要です。
configure channel device type disk |
リスト7 ファイルIDを指定してデータファイル単位でバックアップを取得する |
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