次に、個々の要素をプロセスとしてつなぎ合わせていきます。前回の記事でも紹介したとおり、プロセスにはケーパビリティ・パターン(Capability Pattern)とデリバリー・プロセス(Delivery Processes)の2種類があります。デリバリー・プロセスはライフサイクル全体を定義するものです。ケーパビリティ・パターンは必須の要素ではないため、今回は説明を割愛します。
それでは、デリバリー・プロセスを作成してみましょう。[ライブラリー]ビューの[デリバリー・プロセス]を右クリックして、「標準開発プロセス」という名前のデリバリー・プロセスを作成します。デフォルト構成としては、先ほど作成した[フルセット]を指定します。
デリバリー・プロセス「標準開発プロセス」を開いて、下部の[ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー]をクリックします。ここで、表示名欄の「標準開発プロセス」で右クリックして、フェイズを作成します。ここでは、「設計」「実装」「試験」の3つのフェイズを作成します。
続けて、[構成]ビューの[作業分野]の中に先ほど定義したタスクが表示されていることを確認してください。これらのタスクをデリバリー・プロセスの該当するフェイズにドラッグ&ドロップすることで「タスク記述子」がデリバリー・プロセス内に定義されます。タスク記述子はタスクのポインタのようなものだと考えてください。
図12の赤枠の部分を右クリックして、[ダイアグラム]→[アクティビティ図を開く]で、フェイズやタスクの順序を定義します。
ここまでの定義が完了したら、パースペクティブを[ブラウズ]に変更して内容を確認して見てみましょう。
いままで説明した手順を踏むと、一通りの開発プロセスを作成できます。しかし、開発プロセスは不定で、すべてのプロジェクトに対して万能の開発プロセスは存在しません。
プロジェクトのシステム構成やお客さまのスタイルにより最適な開発プロセスはプロジェクトごとに異なります。そのため、全社や組織の標準の開発プロセス開発として作成したものを個々のプロジェクトに適用する場合や、あるプロジェクト用に策定した開発プロセスを別のプロジェクトに適用する場合、プロジェクト固有の条件に対応するために、テーラリングが必要となります。
このテーラリングを行うときにこそ、EPFが本領を発揮します。ここからは、EPFのテーラリング機能の使い方を紹介します。具体的には、以下のようなテーラリングを行ってみましょう。
メソッド・プラグイン「標準開発プロセス(standard)」に加えて、「FP計測手順(function_point)」とリッチクライアント(rich_client)」の2つのメソッド・プラグインを作成します。上記「メソッド・プラグインの作成」で行った手順で、function_pointとrich_clientを作成してみましょう。
また、[構成]→[フルセット]を開いて、function_pointとrich_clientにもチェックを入れておいてください。
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