デスクトップをJava製ウィジェットでにぎやかに小山博史のJavaを楽しむ(8)(3/3 ページ)

» 2007年10月05日 00時00分 公開
[小山博史,ガリレオ]
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作ったサンプルをウィジェットとして実行する

 これをDeskletへ組み込むに当たり、DeskletFactoryクラスを用意して、関連するパーツを一式作成してDeskletへ登録するようにしました。

 desklet.getContext().getDockingContainer()で取得できるコンテナへ登録したパーツは、ExitメニューやSetupメニューがあるドック領域に表示されます。desklet.getContext().getContainer()で取得できるコンテナへ登録したパーツは、ドックの右側の普段は隠れているコンテナに表示されます。

package sampleclock;

import org.glossitope.desklet.DeskletContainer;

public class DeskletFactory {
    public static Clock createClock(Desklet desklet) {
        Clock clock = new Clock();
        DigitalClockByJLabel dcl = new DigitalClockByJLabel();
        DigitalClockByJComponent dcc
            = new DigitalClockByJComponent();
        clock.addObserver(dcl);
        clock.addObserver(dcc);

        DeskletContainer dock
            = desklet.getContext().getDockingContainer();
        dock.setContent(dcl);

        DeskletContainer c
            = desklet.getContext().getContainer();
        c.setContent(dcc);
        c.setShaped(true);
        c.setBackgroundDraggable(true);
        c.setResizable(true);
        c.setVisible(true);

        return clock;
    }
}

 最後に、META-INFディレクトリへdesklet.xmlを作成します。ローカルで実行するのに最低限必要な情報を書いておきました。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <desklet version="0.1">
    <name>Sample Clock Desklet</name>
    <author>Hiroshi Koyama</author>
    <homepage>http://www.sssg.org</homepage>
    <description>Sample Clock</description>
    <class>sampleclock.Desklet</class>
</desklet>

 一通りのファイルが用意できたので、プロジェクトのプロパティで実行時の主クラスを「sampleclock.Desklet」と指定してからプロジェクトの構築をしました。出来上がったJARファイルを次のように実行して動作することを確認しました。

以下のコマンドを実行
>java -jar SampleClock.jar

 その後、Deskletを登録したところ、無事に次のように画面が表示されて、時計が動作しました。

図10 作ったサンプルをウィジェットとして実行 図10 作ったサンプルをウィジェットとして実行

 今回の例は、単純なアプリケーションですが、パーツを切り替えればほかのいろいろなアプリケーションへ変更することは難しくありません。

Java製デスクトップ・ウィジェットの利点

 資料は少ないのですが、Swingアプリケーションの知識があれば、これまで説明した内容から、すぐにDeskletを作ることができるはずです。また、最新のJava GUI技術であるJavaFXSWT(The Standard Widget Kit)、Eclipse RCP(Rich Client Platform)など、JVMで動くものはDeskletとして動かすことができるようなので、いろいろ試せそうです。

 Windowsのアプリケーションと連携するには、VBやC#を使ってアプリケーションを作成するのが簡単そうですが、インターネットのサービスと連携するようなアプリケーションを作成するには、Javaの方が簡単です。

 また、このDeskletプラットフォームを使えば、OSとは別にアプリケーションを管理できるようになるため、意外と重宝するはずです。Deskletは意外と簡単に作れますから、チャレンジしてみてはいかがでしょう。

 なお、今回作ったサンプルのソースコードはこちらからダウンロードできます。

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筆者プロフィール

小山博史(こやま ひろし)

Webシステムの運用と開発、コンピュータと教育の研究に従事する傍ら、オープンソースソフトウェア、Java技術の普及のための活動を行っている。Ja-Jakartaプロジェクトへ参加し、コミッタの一員として活動を支えている。また、長野県の地域コミュニティである、SSS(G)bugs(J)の活動へも参加している。



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