日常生活から理解するActionScriptの制御文Flashの基礎を無料で習得! ActionScript入門(3)(1/2 ページ)

» 2008年03月10日 00時00分 公開
[吉村美保クラスメソッド株式会社]

注意!

2008年2月25日のFlex 3正式版公開に伴い(参考「Adobe AIR 1.0がついに公開〜Web技術でデスクトップアプリを開発〜」)、Flex 2 SDKのダウンロードページがなくなりました。Flex 3のSDKはダウンロードサイトにアクセスし、図1のように2回クリックすると入手できます(2008年3月の記事執筆時点では日本語ダウンロードサイトはありません)。

図1 Flex 3 SDKのダウンロードサイト 図1 Flex 3 SDKのダウンロードサイト

Flex 3のSDKをダウンロードし、連載第1回「Flashの要となるスクリプト言語「ActionScript」とは?」で説明した要領で、SDKの「bin」フォルダにパスを通しておいてください。


プログラムを面白くする「制御文」とは?

 前回「ActionScriptの変数や型、配列、演算子を理解する」ActionScript(以下、AS) 3の文法の基礎を解説しましたが、AS 3について少し慣れてきましたでしょうか?

 今回はif文for文while文switch文などの「制御文」と呼ばれるものを使っていくつかサンプルを作ってみましょう。制御文を使うと、プログラムの表現力がぐっと広がります。

 制御文とは、プログラムの処理の流れを変えるものです。制御文を使うと、複雑なプログラムを作ることができます。

if文 ― もしも〜だったら ―

 それではまず、if文の説明に入りましょう。「if」は英語でいえば、「もしも〜だったら」というような意味ですね。プログラムのif文も同じように扱います。if文の構文は以下のようになります。

もし○○だったら、◇◇する。
if ( 条件○○ ) {
    処理◇◇;
}

 日常生活で考えると、こんな感じです。

図2 日常生活で使うif文のイメージ 図2 日常生活で使うif文のイメージ

 if文はelseと一緒に使うこともできます。elseを使った場合の構文は以下のようになります。

もし○○だったら、◇◇する。
そうでなければ、△△する。
if ( 条件○○ ) {
    処理◇◇;
} else {
    処理△△;
}

図3 日常生活で使うif/else文のイメージ 図3 日常生活で使うif/else文のイメージ

 else ifを使うと、さらに条件を分岐することができます。else ifの構文は以下です。

もし○○だったら、◇◇。
▽▽だったら、△△。
そうでなければ、■■する。
if ( 条件○○ ) {
    処理◇◇;
} else if ( 条件▽▽ ) {
    処理△△;
} else {
    処理■■;
}

図4 日常生活で使うelse if文のイメージ 図4 日常生活で使うelse if文のイメージ

 それでは「テストで100点だったら、ゲームを買ってもらえる。80点以上だったら、今夜はごちそう。80点未満だったら、何もしない。」をプログラムにしてみましょう。

package {
import flash.display.*;
import flash.text.*;

public class Lesson3_1 extends Sprite {
    public function Lesson3_1 () {
        var point:int = 85;
        var result:String;

        if ( point == 100) {                         【1】
            result = "ゲームを買ってもらう";
        } else if ( point >= 80) {                   【2】
            result = "今夜はごちそう";
        } else {
            result = "なにもしない";
        }


        var textField:TextField = new TextField();
        textField.text = result;
        textField.width = 200;
        addChild(textField);
    }
}
}

 【1】の「==」と、【2】の「>=」は「比較演算子」と呼ばれるものの一種で、「point == 100」はpointが100に等しいかを比較しており、「point >= 80」はpointが80以上かを比較しています。比較演算子には、以下のようなものがあります。

表1 比較演算子の種類
演算子を使った例文 意味
a == b a と bは等しい
a < b a は bより小さい
a > b a は bより大きい
a <= b a は b以下
a >= b a は b以上
a != b a と bは等しくない

 前回説明した代入演算子「=」と比較演算子「==」はASでは意味が異なりますので、注意しましょう。

 では、コマンドプロンプトで、以下のコマンドを入力し、Flash PlayerでLesson3_1.swfを開いてみましょう。

mxmlc Lesson3_1.as【エンターキー】

 「var point:int = 85;」でpointに85を代入していますので、以下のような表示が出れば成功です(文字化けしてしまう方は、テキストをUTF-8形式で保存すると、日本語を表示できます)。

図5 if(else)文サンプルの実行結果 図5 if(else)文サンプルの実行結果

 if文について理解できましたか? 次は、for文の説明に入りたいと思います。

for文 ― 処理を繰り返す ―

 for文は、処理を繰り返したいときに使います。for文の構文は以下です。

カウンタが○○から◇◇の間、処理△△を繰り返す。
for (カウンタ初期○○設定; 条件◇◇; カウンタ増減設定) {
    繰り返したい処理△△;
}

 for文は連載第2回の配列の説明でも登場しましたね。

package {
import flash.display.*;
import flash.text.*;

public class Lesson2 extends Sprite {

    public function Lesson2 () {
        var sum:int;                                     
        var list:Array = [5,4,3,10,8,6,7,11,14,13]; 


        for (var i:int = 0; i < 10; i++) {           【3】
            sum += list[i];                             
        }


        var textField:TextField = new TextField();
        textField.text = String(sum);                    
        addChild(textField);
    }
}
}

 【3】の部分に着目しましょう。「var i:int = 0;」では、iをカウンタとし、0で初期化します。「i < 10;」は、処理を繰り返す条件を表しています。「i++」では、第2回で説明したインクリメント演算子を使い、iを1ずつ加算しています。

 よって、このfor文は「iが0から9の間、処理を繰り返す」という意味になります。

 次ページでは、引き続き「制御文」について解説します。for each文、while文、do while文、switch文も覚えてプログラムの表現に幅を持たせましょう!

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