リレーショナルデータベースの基本とSQL*PLUS間違いやすいポイントを追え! Bronze SQL基礎I(1)(1/2 ページ)

Oracleデータベースエンジニアとしての基礎力を証明するORACLE MASTER Bronzeの取得を目指すITエンジニアは多い。本連載で間違いやすいポイントを確認し、合格に近づこう!

» 2008年03月14日 00時00分 公開

 ORACLE MASTER Bronzeは、ORACLE MASTERの入門的な位置にある資格であり、データベース管理者としての基礎知識を証明するものです(詳しくは、「ORACLE MASTER Bronze SQL基礎I 講座」「ORACLE MASTER Bronze DBA講座」をご参照ください)。

 この連載では12回にわたり、「ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 10g」の取得に必要な試験「Bronze SQL基礎I」(1Z0_017J)の範囲から、特に間違いやすいポイントに絞って解説します。例題を解きながら、チェックに役立ててくださいね。

(注)新バージョンに対応した試験、「ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 11g」については、2008年5月末ごろに提供が開始されるようです。


 今回は、以下の項目について確認します。

  • リレーショナルデータベースの基本
  • SQL*PLUSの使用方法

リレーショナルデータベースの基礎知識

例題1

赤く四角で囲まれた部分について正しい説明文を2つ選択してください。

a.複数の値を格納することができる

b.行と列が交わる場所をフィールドと呼ぶ

c.1つの値のみ格納することができる

d.NULL値は格納することができない

例題の範囲をおさらい

 リレーショナルデータベースでは、2次元表を用いています。つまり縦と横、列と行の組み合わせでデータを管理します。

・行

 行は、表の中の1セットのデータを表します。

 出題の表では、1人の従業員に関する1まとまりのデータを表しているのが「行」です。例えば、社員番号(EMPLOYEE_ID)100番の従業員のデータは、すべて横1行に表されています。

・列

 列は表の中の1種類のデータを表します。

 出題の表では、社員番号(EMPLOYEE_ID)や姓(LAST_NAME)などいくつかの種類のデータが、それぞれ縦に1列に表されています。

・フィールド

 行と列が交わる場所をフィールドと呼びます。フィールドに格納する値はNULL値でも構いませんが、必ず1つです。

正解

b、c

解説

選択肢a:フィールドには値を1つしか格納できないため、誤りです。

選択肢b:行と列が交わる部分をフィールドと呼びます。

選択肢c:フィールドに格納する値は1つのみです。

選択肢d:NOT NULL制約や主キー制約が列に設定されていない限り、NULL値も格納できるため、誤りです。

 よって、正しい説明文はb、cです。

SQLとiSQL*PLUS、またはSQL*PLUSコマンドの違い

例題2

iSQL*PLUS・SQL*PLUSの機能について間違っているものを選択してください。

a.表の定義を変更することができる

b.表の構造を確認することができる

c.キーワードを短縮することができる

d.ブラウザ上で実行することができる

e.コマンドで値の操作をすることはできない

f.コマンドはANSI標準である

例題の範囲をおさらい

 SQLとiSQL*PLUS、またはSQL*PLUSコマンドの違いをまとめます。

・SQLコマンド

(1)ANSI標準の言語

(2)キーワードは短縮不可能

(3)データベース内のデータ定義および表定義を操作することが可能

・iSQL*PLUS(SQL*PLUS)コマンド

(1)Oracle独自のコマンド

(2)キーワードは短縮可能(「DESCRIBE」→「DESC」など)

(3)ブラウザ上で実行が可能(iSQL*PLUSの場合)

正解

a、f

解説

選択肢a:表の定義を変更するには ALTER TABLEコマンドを使用しますが、これはSQLコマンドであるため、誤りです。

選択肢b:表の構造を確認するには、DESCRIBEコマンドを使います。これはSQL*PLUS・iSQL*PLUSのコマンドです。

SQL> describe employees
名前           NULL?       型
-----------    --------    ------------
EMPLOYEE_ID    NOT NULL   NUMBER(6)
FIRST_NAME                 VARCHAR2(20)

選択肢c:SQL*PLUS・iSQL*PLUSコマンドでは、「CONNECT」→「CONN」「COLUMN」→「COL」などキーワードの短縮が可能です。

SQL> connect / as sysdba
接続されました。

SQL> conn / as sysdba
接続されました。

選択肢d:iSQL*PLUSは、ブラウザ上での実行が可能です。GUIであるため、操作も容易です。

選択肢e:SQL*PLUS・iSQL*PLUSは、表の構造を確認したり環境設定を行ったりするコマンドであるため、データベース内の値を変更することはできません。

選択肢f:SQL*PLUS・iSQL*PLUSコマンドは、Oracle独自のコマンドであるため誤りです。

 よって、間違っているものはa、fです。

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