ビルドやテスト、依存ライブラリ追加は自動化できる!Eclipseプラグインq4eでカンタンMaven入門(前編)(3/3 ページ)

» 2008年03月25日 00時00分 公開
[吉田英嗣@IT]
前のページへ 1|2|3       

プロジェクトで利用するライブラリを“見える化”

依存ライブラリの設定

 次に、プロジェクトで利用するライブラリを追加設定してみましょう。通常、Mavenでは直接テキストエディタなどでpom.xmlファイル中のdependency要素を追記するのですが、q4eではそれをGUIにより簡単に設定できるようになります。

図11 依存ライブラリの設定ウィンドウ 図11 依存ライブラリの設定ウィンドウ

 Maven2メニューから「Manage Dependencies」を選択すると、図11中の【1】のウィンドウが表示されます。【1】のウィンドウでは設定済みの依存ライブラリが確認できます。

 [New]ボタンを押すと【2】のウィンドウが表示されます。【2】のウィンドウでは追加する依存ライブラリの情報を入力します。といっても、追加したいライブラリのGroup IDやArtifact IDは調べないと分からないでしょう。セントラルリポジトリにあるライブラリについては、「Maven Repository」というサイトを利用して検索できます。

 さらに、q4eではすでにローカルリポジトリに保持しているライブラリを検索して設定できる機能があります。ライブラリを検索するためのウィンドウ(【3】)は、【2】のウィンドウのGroup IDの右にある[...]ボタンを押すと表示されます。

 そこで、所望のライブラリを指定して[OK]を押すと、自動的に【2】のウィンドウの設定項目が入力されます。このようにして簡単に依存ライブラリを簡単に追加していくことができます(もちろん、削除も可能です)。

 追加されたライブラリは自動的にpom.xmlに追記されますので、実際にpom.xmlファイルをのぞいてみてください。

依存ライブラリのさまざまな“見える化”機能

 また、q4eでは一目で依存ライブラリの情報が確認できる[View Dependencies](依存ライブラリをグラフ化する:図12)、[Analyse Dependencies](依存ライブラリの階層など詳細情報を参照する:図13)といった機能があります。比較的大きなプロジェクトになると依存ライブラリも多くなるため有用になることでしょう。

図12 依存ライブラリグラフ[View Dependencies](画像をクリックすると、拡大します) 図12 依存ライブラリグラフ[View Dependencies](画像をクリックすると、拡大します)
図13 依存ライブラリ分析[Analyse Dependencies](画像をクリックすると、拡大します) 図13 依存ライブラリ分析[Analyse Dependencies](画像をクリックすると、拡大します)

テスト結果などのレポート生成プラグインも豊富

 最後にレポート生成を行います。ここでは、Coberturaプラグインを使って、テストカバレッジレポートを生成してみます。

 「Maven2メニュー」の[Execute Goal]を実行し、ゴールに「cobertura:cobertura」(coberturaプラグインのゴールcobertura)を指定して実行します。完了すると、target/site/coberturaにレポート結果がHTML形式で出力されています(図14)。

図14 Coberturaプラグインによるテストカバレッジレポート(*注:Mavenを採用しているApache Common Poolを使って実行した結果)(画像をクリックすると、拡大します) 図14 Coberturaプラグインによるテストカバレッジレポート(*注:Mavenを採用しているApache Common Poolを使って実行した結果)(画像をクリックすると、拡大します)

 Mavenのレポート用プラグインには、Coberturaプラグインのほかに以下のようなプラグインがありますので、試してみてはいかがでしょうか。

Surefire-Reportプラグイン:テスト結果レポート
Checkstyleプラグイン:コーディング規約チェック結果レポート
PMDプラグイン:コード解析結果レポート
JDependプラグイン:メトリクス分析レポート
JXRプラグイン:ソースコードクロスリファレンスレポート

Maven苦手意識は克服できるのか!?

 本稿ではまず、ビルドプロセスを自動化するMavenとそれをEclipse上で利用するためのq4eプラグインを紹介しました。

 Mavenは「かめばかむほど味が出るツール」だと思っていますが、中にはそのとっつきにくさから食わず嫌いになっている方も多いのではないでしょうか。q4eを利用すれば多少はその苦手意識を克服できるかもしれません。試してみる価値はあるでしょう。

 次回後編では、q4eとEclipse WTP(Web Tools Project)の連携を中心にお届けする予定です。

編集部注Eclipse WTPについて詳しく知りたい読者は記事「Webアプリのための標準プラグイン『WTP』」をご参照ください。

@IT関連記事

CoolなEclipseプラグイン
役立つプラグインを毎月紹介。第1回は「Javaのプロパティファイルエディタ」「Tomcatコントローラ」「HTML/JSP/XMLエディタ」
第2回 ソフトウェアの品質向上を支援するプラグイン
第11回 ビルドを効率化するEclipseプラグイン
第15回 バージョン管理に便利なSubversiveプラグイン
第23回 Mylyn&Tracでリズムに乗ってタスクを大掃除♪
第24回 これはすごい!? コード品質のカイゼン化プラグイン2種

明日からできるプロジェクト管理
本連載では、プロジェクトに秩序をもたらすさまざまな手法を、開発プロジェクトの段階を追って解説していく。第1回目は進ちょく管理だ
第2回 成果物・文書管理にすぐ使えるオープンソース
第3回 ビルド管理を楽にするオープンソースツール一覧
第4回 単体テストの品質をチェックするには
情報マネジメント > プロジェクト管理

Java開発支援ツールの定番
Javaオープンソースセンター(2) Javaオープンソースには開発に便利なツールが豊富にある。今回は中でも定番とされるAnt、Log4j、XDocletなどを紹介する
Java Solution」フォーラム 2005/4/7

Eclipseからビルドツール「Ant」を使う
連載:Eclipse徹底活用(1) Eclipse 2.1ではAnt対応が強化された。EclipseとAntを組み合わせて使うと、ソースファイルがどんなに多くてもトラブルなくビルドが行える
Java Solution」フォーラム 2003/4/23

AntとXDocletでEJB開発を効率化
[連載]現場に活かすJakarta Project(3) ファイルが多いために煩雑になりやすいEJB開発。AntとXDocletを使うと非常に効率よく開発ができ、その問題が解決できます
Java Solution」フォーラム 2003/2/19

Eclipseで使えるテストツールカタログ
統合開発ツールにEclipseを選択する開発現場に、テストの効率化、ソフトウェア品質の向上のヒントを提供する

快適なXPドライビングのすすめ
理論と実践は根本的に違う。本連載ではEclipseなどのツールを活用しながらXPの快適なドライビング方法を伝授する
第4回 EclipseとJUnitによるテスティング
第5回 テストファーストでコードを作成する
第7回 継続的インテグレーション&テスト環境の構築
情報マネジメント > アーキテクチャ

Webサイト構築に必要なさまざまなテスト手法
[連載]Java初心者のためのWebシステム入門(9) Webサイトのカットオーバーに備えて行う必要のあるテスト項目と手法の概要を解説します
Java Solution」フォーラム 2002/9/26


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。