採用・教育コンサルティングのアルーは4月24日、入社3年目の社員から見た管理職の実態についての調査結果を発表した。
調査は、2006年3月に四年制大学・大学院を卒業し、同年4月から企業へ就職した入社3年目の社会人、合計310人(男性155人、女性155人)を対象とした。ひと通り仕事を覚え、上司に対しても客観的に見る余裕ができた入社3年目の社会人の目線を通じて、管理職の「部下育成」に関する実態を調査するのが目的。
上司に対する評価は、100点満点中、平均66.7点だった。全体の約44%が61点から80点までの間に集中しており、同社では、「『上司の良い点、悪い点』を冷静に見ている」と分析している。また、100点が8人いた一方、0点も1人だけ存在した。
上司と一緒に仕事を進める際の不満点については、「指示があいまい」「情報共有をしない」という、基本的なコミュニケーションスキルに関する項目が上位となった。上司から指示を受けた際に、指示内容がよく分からないことが「ある」という人も全体の約70%にのぼった。
さらに、全体の約60%が「研修で得たことを生かせる機会を上司から与えられていない」と答えた。同社は、「社員の成長において、『学ぶ環境があること』と『学びを生かして挑戦できる環境があること』の両輪は重要。後者においては、現場の上司のサポートは欠かせない」と指摘している。
一方で、「上司から適切なフィードバックを受けている」(55.2%)、「自分に対する評価は適切だと思う」(68.4%)、「上司は部署や組織全体の成果を、個人としての成果よりも重視している」(75.8%)、「上司は自分の成功スタイルを押し付けてはこない」(57.7%)などのポジティブな評価も多く挙がった。また、自分の評価の基準について「知らない」人は60%を超えたが、同社はこの項目に関しては「管理職個人としてではなく、全社的に取り組みがなされているか否か」の問題だと付け加えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.