高機能NASゲートウェイを自社ブランドで投入、ネットアップ他社ストレージをつなげ、ネットアップの機能認知を促進

» 2008年09月10日 00時00分 公開
[三木泉,@IT]
Vシリーズの上位機種で、1Pbyteの容量を管理可能な「V6070」

 ネットアップは9月10日、ストレージ仮想化システム「Vシリーズ」を国内提供開始した。Vシリーズはこれまで海外では広く販売され、国内でも一部でOEM提供されてきたが、今回、自社ブランドによる国内提供を開始した。

 Vシリーズは、異種ストレージをまとめ上げ、あたかも1台のNASであるかのように見せることのできる装置だ。IBM、HP、日立、EMC、富士通、3PARの一部ストレージ製品、およびネットアップのディスクシェルフ(JBOD)を接続することができる。

 複数のストレージを束ねて1つに見せられる製品にはいくつかの種類がある。「NASゲートウェイ」あるいは「NASヘッド」と呼ばれる製品は、NAS製品の頭脳に当たる部分をアプライアンス化したもの。そのほかに「ストレージ仮想化装置」などと呼ばれ、複数のストレージを、NASではなくブロック・ストレージとして統合する製品もある。VシリーズはNASゲートウェイに分類できるが、最大のメリットは同社のNAS製品群である「FASシリーズ」と共通の機能を使えることにある。

 Vシリーズは接続可能容量やパフォーマンスによって、「V3000シリーズ」「V3100シリーズ」「V6000シリーズ」がラインナップされているが、このそれぞれが「FAS3000」「FAS3100」「FAS6000」の頭脳部分を切り出したもの。従って、FASシリーズに共通のOS「Data ONTAP 7G」が搭載されていて、ほとんどの機能は同一という。

 つまり、シン・プロビジョニング機能の「FlexVol」、重複除外機能、高速複製機能の「FlexClone」、アプリケーションを意識したスナップショット機能、データ改ざんを防止する「SnapLock」などが利用できる。

ネットアップ ソリューションマーケティング部長の阿部恵史氏

 ネットアップ マーケティング本部 ソリューションマーケティング部 部長の阿部恵史氏は、「この製品自体で売り上げを稼ぐというよりも、Data ONTAPの機能を実感してもらう」ことが、この製品をネットアップが提供する意味だと話す。「例えば各社のシン・プロビジョニングの違いは、使っていただかないと分からない」。

 Vシリーズをユーザー企業が導入する最大のきっかけは、遊休ブロック・ストレージのNAS化だろうとネットアップでは予測している。当初は他社製品を統合するために使われたとしても、そのうちに同社の独自ファイルシステム「WAFL」やデータ冗長化機能「RAID-DP」といった、ネットアップ製品でそろえることのメリットを理解してもらえれば、同社のディスクシェルフと組み合わせた構成に移行してもらえるのではないかという。

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