3PARは9月10日、同社ストレージの新製品「InServ Tクラス」の国内における販売開始を発表した。米国では9月2日に発表されたもので、これまでの「InServ Sクラス」の後継となる。
TクラスではコントローラのCPUとしてインテルのXeon 2.3GHzを採用。コントローラ間の通信に専用のギガビットイーサネット接続を与え、バックプレーンは総帯域幅をSシリーズの28GBytes/sから45GBytesに向上するなどの強化を行った。米3PAR マーケティング担当副社長 クレイグ・ヌネス(Graig Nunes)氏によると、これによりパフォーマンスはSクラスに比べて2倍以上に向上したという。ストレージのベンチマークテストとして知られるSPC1ベンチマークでは22万4989 IOPSを達成(レスポンスは10ミリ秒以下)、現時点で最高速のストレージになったという。「最も高速なストレージだというだけでなく、ストレージ容量の利用効率が高いし(データのパリティビットなどで消費される無駄な領域が少ないという意味)、誰でも高いパフォーマンスが出せる」(ヌネス氏)。このSPC1ベンチマークの数値は、ストレージにチューニングを加えることなく達成したものだという。
InServシリーズのコントローラに搭載されているASICも一新した。新しい「3PAR Gen3 ASIC」では、コントローラ間の接続のためのDMAエンジンを従来の2個から9個に増やし、InServが採用するクラスタ的ストレージユニット構成におけるパフォーマンスを確保している。
また3PARは、業界で初めてASICにシン・プロビジョニングの機能を組み込んだ。これはASICを通過するデータに含まれる連続したゼロを検知することができる。この機能を活用し、同社ストレージの制御ソフト「InForm OS」の、2008年中にも提供開始される新バージョンでは、従来型のストレージ上のデータから自動的に空き領域を除き、シン・プロビジョニング変換を実行する機能を搭載するという。
「これまでのようなファイルレベルのシン・プロビジョニング変換では時間が掛かる。新機能を使えば早くシンプルに(ブロックコピーによって)ファット・ボリュームをシン・ボリュームに変換できる」(ヌネス氏)。このほかにも、すでにシン変換したボリュームにおける空き領域の削除を実行するアプリケーションなどを、順次提供していくという。
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