initrdについての説明です。間違っているものはどれですか?(1つ選択)
[試験対策の重要度:(level1)* (level2)**]
a.initrdはルートファイルシステムをマウントするためにカーネルが利用する
b.initrdは1番目のユーザープロセスinitが利用する
c.ファイルシステム形式のinitrdは圧縮を解凍した後、次のコマンドでマウントできる
mount -o loop initrd /mnt
d.initrdはmkinitrdコマンドで作成できる
b
イニシャルRAMディスクinitrdはカーネルが起動時にのみ利用するもので、その後に生成されるinitが利用するものではありません。従って、選択肢bは間違いです。
システム起動時にカーネルに渡す引数についての説明です。間違っているものはどれですか?(1つ選択)
[試験対策の重要度:(level1)* (level2)**]
a.カーネルに渡された引数はすべてカーネル内で処理され、ほかのユーザープロセスに渡されることはない
b.カーネルに渡す引数はブートローダの設定ファイルで指定できる
c.init関連のエラーでシステムが立ち上がらないときは、カーネルオプションinit=/bin/bashとしてシステムを立ち上げて回復作業ができる
d.現在立ち上がっているカーネルに渡された引数は/proc/cmdlineに格納されている
a
ブートローダで指定するカーネルオプションは、カーネル自身が処理するオプション(例:quiet)以外に、カーネルを経由してinitに渡すオプション(例:rhgb)も指定できます。従って、選択肢aは間違いです。
次のような/etc/inittabファイルとrcスクリプトがある。システム起動時にメールサーバsendmailが起動するように設定するために必要な作業はどれですか?(1つ選択)
ただし/etc/init.d/の下にsendmailサービスを管理するスクリプトsendmailが用意されているものとし、起動番号は80とします。
[試験対策の重要度:(level1)* (level2)**]
id:5:initdefault: l5:5:wait:/etc/rc.d/rc 5 |
#!/bin/bash runlevel=$1 for i in /etc/rc$runlevel.d/S* do $i start done |
a. ln -s /etc/init.d/sendmail /etc/rc$runlevel.d/S*
b. ln -s /etc/init.d/sendmail /etc/rc$runlevel.d/S80sendmail
c. ln -s /etc/init.d/sendmail /etc/rc3.d/S80sendmail
d. ln -s /etc/init.d/sendmail /etc/rc5.d/S80sendmail
d
この/etc/inittabでは“id:5:initdefault:”によってシステムのランレベルは5に設定されています。ランレベル5に一致するエントリ“l5:5:wait:/etc/rc.d/rc 5”によって、/etc/rc.d/rc 5が実行されます。rcスクリプトに渡される第1引数は5となるので、/etc/rc5.dの下のSで始まるスクリプトが実行されることになります。
sendmailを起動するように設定するには、この/etc/rc5.dの下に/etc/init.d/sendmailへのシンボリックリンクを作成します。起動番号は80と指定されているので、選択肢dが正解となります。
お疲れさまでした。次回は「印刷」について出題します。
大竹龍史
有限会社ナレッジデザイン 代表取締役。1980年代に日本コンピュータビジョン社にてサン・マイクロシステムズのWorkstation、Sun2に出合って以来、サン関連のサポート、社内教育、ユーザー教育に従事。1998年、Netscape(現在はサンのSJESプロダクトに引き継がれている)とLinuxのトレーニングを提供する有限会社ナレッジデザインを設立。現在はLinuxとSolarisのシステム管理、ネットワーク管理、サーバ構築を担当。
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