読者の皆さんは、Javaで業務用のWebアプリケーションを開発するのに必要なものとして何を思い浮かべるでしょうか。統合開発環境? サーブレット/JSP? アプリケーションサーバ? Struts? DB接続のO/Rマッピング? DIコンテナ? 技術的には、これらも確かに必要です。また、アプリケーションが“安全”に“確実”に動くことが業務で使うときには求められます。
上記は当然のものとして、“仕事”として売り上げを上げるためにアプリケーション開発を行う場合に一番求められるのは、アプリケーションを一から開発する際や、デバッグ/修正する際の“速さ”や“俊敏さ”ではないでしょうか。
たとえJava言語の初心者、または知らない人でも、仕事としてJavaでWebアプリケーションを開発することになったら、「初心者だから」といった言い訳は通用しません。自力で何とか“速く”そして“俊敏に”開発しなければならなくなります。
本連載は、そういった状況でいかにWebアプリケーションを“速く”“俊敏に”開発するかの手助けになるような便利なソフトウェアを紹介します。具体的には以下のような、オープンソースプロジェクトであるSeasarのソフトウェア群です。
本連載では、XMLファイルを書く量が減るなど非常に便利なSAStrutsの紹介を中心に、Doltengを使用したSAStrutsプロジェクトの作成・DBスキーマからのページ自動生成、SMART deploy機能、S2JDBCなどを紹介し、実際の開発現場でも使えるかどうかを評価していきます。
連載第1回目は、Eclipseプラグインの「Dolteng」によって、ソースコードも書かずあっという間に、DB操作ができるWebアプリケーションを自動生成する手順を解説します。
それでは早速、プロジェクト作成からWebアプリケーション完成までを、Doltengによってわずか1分ほどで行う動画を見てみましょう。図1の画像をクリックすると、別ウィンドウで実際にFlash動画が見られます。動画は左下のボタンで再生/停止ができます(Flash動画を見るには、Flash Playerが必要になります。Flash Playerのダウンロードページはこちら)。
いかがだったでしょうか?ほんの1分ぐらいでDBからデータを取得して表示するWebアプリケーションが自動生成されることをご理解いただけたかと思います。
なお、本連載では、Javaの基本は理解していてJavaでWebアプリケーションに挑戦したい人や、Strutsはよく分からないが、JavaでWebアプリを簡単に作りたい人以外でも、JavaでWebアプリケーション開発の流れが分かっている人や、Strutsは使えるけれどStrutsの設定ファイルをなるべく書きたくない人にも大きな手助けになるので、参考にしていただければと思います。
Strutsそのものの解説は、以下の記事が参考になると思います。この連載をより深く理解するために、ぜひ参照しておいてください。
それでは、動画で作成したようなWebアプリケーション開発の手順を解説しましょう。まずは、環境構築からです。
本連載の内容は、JDK 5.0以降、Eclipse 3.0以降、Tomcat 5.5以降を推奨しますので、@ITの各記事などを参照してあらかじめインストールを行っておいてください(参考:バージョン別セットアップマニュアル一覧)。
なお、本連載のWebアプリケーションは以下の環境で作成し動作確認を行っています。
また、本連載の環境はPleiadesでEclipseを日本語化して解説しますが、Eclipseの日本語化に関しては、するかしないかは読者にお任せします。Eclipseの日本語化は以下の記事が参考になると思います。
本連載ではSeasarプロジェクトから出ている数多くのEclipseプラグインを利用します。今回利用しないプラグインもありますが、Seasarプロジェクトを作成する際には便利なので、同時に紹介しておきます(バージョンは記事の執筆時のバージョンです)。
次ページでは、これらのEclipseプラグインをインストールして、DoltengでWebアプリを自動生成します。
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