ノベルは2月6日、日本における仮想/物理環境管理製品群の本格的な展開を発表した。
来日した米ノベル社長兼CEOのロナルド・ホブセピアン(Ronald Hovsepian)氏は、同社の事業戦略を説明した。同氏は、Web 2.0の世界においてどの市場分野でノベルが一番力を発揮できるかを考えた結果、オープンソースとクローズドソースの情報システムの混在環境を調和させるシステムインフラベンダと自社を定義したと説明した。「システム管理は特に相互運用性でノベルが一助となれる分野」(ホブセピアン氏)という。
具体的なソリューションとしては、データセンター(仮想/物理環境管理製品やLinuxサーバ)、エンドユーザーコンピューティング(デスクトップ管理、コラボレーション製品、Linuxデスクトップ)、アイデンティティ/セキュリティ(アイデンティティ管理やコンプライアンス管理)の3つを推進している。
国内展開を新たに発表したのは「PlateSpin Workload Management」製品群。ノベルが買収した加PlateSpinの製品群を中核とし、物理/仮想環境にまたがるさまざまな「ワークロード」(OS+アプリケーション+データ)のライフサイクルを包括的に管理することを目的としている。すでにP to V(物理/仮想マシン)変換製品をはじめ、国内でも250社が導入しているという。今回は米国における製品ラインアップの再編と名称変更に伴い、国内での新たな展開を発表した。
具体的には、以下の製品を展開する。
「PowerSpin Recon」は企業データセンターにおけるワークロードのインベントリ管理とサイジング、統合効果測定を行うツール。「PlateSpin Migrate」はP2V、V2V、V2Pのワークロード変換を行える。さらにマルチプラットフォームの仮想/物理ワークロード運用管理とリソース配置最適化では「PlateSpin Orchestrate」、バックアップ/ディザスタ・リカバリでは「PlateSpin Protect」「PlateSpin Forge」を提供する。特にMigrateは、40個のワークロードを同時並行的に変換できるなどの特色があるという。
ノベルは国内で2009年度、PlateSpin製品群で昨年比2倍の売り上げを目指す。組織的にはPlateSpinセールス専任部隊を設置、新たな販社の獲得努力を進めるほか、仮想化ソフトウェアベンダとの共同プロモーションを展開するという。
ノベル日本法人は今後、データセンターとアイデンティティ/セキュリティの2つを注力分野とし、深いマージンを武器として、販社やパートナーを拡大していきたいとしている。
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