情報処理推進機構(IPA)は3月13日、「IT人材市場動向調査 調査報告概要版 No.2」を発表した。「IT人材の育成施策検討に向けた基礎情報を収集するための調査」の第2回となる今回は、「【教育機関向け】情報系学生・教育動向調査」と「【情報系学科卒業生向け】情報専門学科カリキュラム評価」についてまとめた。
調査は「教育機関向け」が大学・大学院、高等専門学校、専門学校の情報系学科473校(有効回答数214校)、「情報系学科卒業生向け」が「過去5年間に大学・大学院の情報系学科を卒業し、現在IT関連の仕事に就いている社会人」200人を対象に行った。
各教育機関における2007年度卒業者の進路については、全体の58.4%がIT職種(ユーザー企業のIT職種を含む)として就職していると回答。特に専門学校では80.4%がIT職種として就職。大学・大学院では50.7%と約半数だったが、高等専門学校では進学が44.0%おり、IT職種として就職した割合は31.2%に留まった。
「学生に人気の高い就職先」の人気の要因としては、全体では「好きな仕事ができること」が58.9%で1位。学校種類別で見ると、専門学校は「学習した内容が生かせること」、高等専門学校と大学・大学院は「知名度が高いこと」がそれぞれ1位だった。
IT技術者としての企業経験を有する教員の割合については、学校種類によって大きく異なった。専門学校では「8〜9割以上」が31.0%と最も多かったのに対し、大学・大学院は「1〜2割」(41.0%)、高等専門学校は「1割以下」(35.6%)が最も多かった。
情報系学科が重視する教育分野としては、「現在、重視している」「今後、特に重視したい」共に「プログラミング技術」「通信・ネットワーク」「プレゼンテーション」「システム・ソフトウェア設計」などが上位を占めた。「チームワーク」「リーダーシップ」「プロジェクトマネジメント」などは「現在」と「今後」で回答数に差があり、現在は重視していないが今後重視していきたい分野と考えられているとIPAでは分析している。
情報系学科卒業生の「大学(院)で学習した内容に対する評価」に関しては、「基礎理論の習得」という点では80%が役立ったと回答。一方、「先端技術の習得」は54.0%、「実務に役立つ内容の習得」は47.0%といずれも約半数に留まった。履修したことのある科目は「プログラミング技術」「アルゴリズム」が上位だったが、「強化すべきだと思う科目」では「プレゼンテーション」「プロジェクトマネジメント」が、「もう一度学習したい科目」でも「プロジェクトマネジメント」「プログラミング技術」「プレゼンテーション」が上位を占めた。
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